愛すべき人生
天井桟敷の人々
という映画がある。
フランスの映画で、戦時中に作られ、
戦後しばらく経って公開されたフランスの歴史的名作
その名前は知っていても
作品は見た事がないという人が多いほど
その存在が歴史に残っている名作
この作品は私にとって縁がある作品
私の実の祖母が私が中学生頃に話してくれたのを
何故か忘れられずにずっと覚えている。
年齢よりもガキそのものだった中学生の私に
彼女がなぜ自分の心の奥底を話したのかはわからない。
彼女はこの映画が好きだった。
公開時に見にいって、
映画が終わった後、あまりの衝撃に立てなかった、と言っていた。
そのことはずっと忘れられずに私の心に残っている。
あの中学生の時にはわからなかった日本の歴史、
そして、人生を生きていくという事。
日本が敗戦してアメリカの占領が終わる少し前に公開された映画
天井桟敷の人々
日本で公開されたのは世界に公開された1952年より少し遅かったかもしれない。
でも、
日本ではまだ描くことが許されなかった、
でもフランスではドイツに占領されていた時ですら大切にされていた人生賛歌を静かに力強く描くこの作品は、その当時の若者の心に大きな衝撃を与えたのだろうな、と思う。
今の時代に歴史的な視点抜きにみれば
なんだかよくわからない映画かもしれない。
でも世界の歴史的背景を見れば、
この作品がどれほど人類の財産なのかはわかるような気がする。