北朝鮮への政府調査団派遣は八百長芝居であり、世論対策であることを認めたNHK7時のニュース (天木 直人 外交評論家)

 
こんどの政府調査団派遣は八百長芝居だと認めたNHK7時のニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/amakinaoto/20141028-00040315/
 2014年10月28日 7時24分 天木 直人 | 外交評論家

 
私の聞き間違いだろうか。
いや、確かにそのような事を話していた。
 
 
きょうから始まる伊原局長と北朝鮮側の協議を報じるきのう
10月27日夜7時のNHKのニュースで、アナウンサーが次のような趣旨の事を話した。
 
 
すなわちピョンヤン空港に到着した伊原局長は
明日から始まる交渉をどう進めるかについて協議することになっている、と。
 
 
 
この不思議なアナウンサーの言葉を聞いたとき、
私はすぐに5月末にスウェーデンで開かれた日朝局長級協議の事を思い浮かべた。
 
 
すなわちあの時、民放(確かTBSだったと思う)の女性政治部記者が、
次のようにカメラの前で口を滑らせたことがあった。
 
 
今度の協議は初めから、協議結果をどう発表するかに終始していて、
拉致問題解決の交渉など一切行われなかったと。
 
 
これを偶然見ていた私は、正体見たりと膝を打ってインターネットで発信したものだ。
これは世論対策の協議だったのだと。
 
 
その後行われた菅官房長官のしどろもどろの記者会見と、
その後今日までに至る拉致問題交渉の混迷は、
この政治部記者の暴露発言の正しさを見事に証明してくれた。
 
 
 
 
今度の交渉も、まさしく世論対策なのだ。
 
どう交渉結果を国民に説明し、今後の継続協議につなげていくか、
それが話し合われるのである。
 
 
もっとも、それはいまさら私が大声で言うまでもない。
安倍首相自身が国民の前で認めている。
 
いま政府調査団を派遣しないと交渉が途絶えてしまうと判断して送ることにしたと。
成果などはじめから期待していないのだ。
 
 
大騒ぎするメディアは、すべて知っていながら、
あの時と同じように八百長芝居をしている(了)
 
 
 
 
 
天木 直人
外交評論家
 
2003年、当時の小泉首相に「米国のイラク攻撃を支持してはいけない」と進言して
外務省を解雇された反骨の元外交官。
以来インターネットを中心に評論活動をはじめ、反権力、平和外交、脱官僚支配、判官びいきの立場に立って、メディアが書かない真実を発信しています。
主な著書に「さらば外務省!」(講談社)、「さらば日米同盟!」(講談社)、「アメリカの不正義」(展望社)、「マンデラ南アフリカ」(展望社)。