やっぱり、「4回転ジャンプを跳べたら勝つ」みたいなクダラナイ競技にして欲しくないな、フィギュアスケートを。
世界フィギュア男子-4回転至上主義の流れが変わるかも
ブライアン・ジュベール パトリック・チャンの批判に反論、世界フィギュア
『パトリック・チャン “僕の役目はスコアに関してジャッジしたり議論したりすることじゃなく、そこで美しい何かを作り上げることなんだ”』
⇒ http://amba.to/PDItMd 『just like an Amaranth』 2012/10/29
昨シーズンの世界選手権で受けたインタビューです。
自分自身のことは勿論、他のスケーター(ジュベール選手、羽生選手など)についても語っています。
Patrick Chan: "My job isn't to judge or argue about my points, my job is to go out and produce something beautiful."
僕の役目はスコアに関してジャッジしたり議論したりすることじゃなく、そこで美しい何かを作り上げることなんだ
October 28, 2012
By Titanilla Bőd
アイシングをしながら、彼は1時間以上もの間、私達が投げかける質問の一つ一つに対し喜んで答えてくれた。カナダのパトリック・チャンは2度目の世界タイトルを手にした後のニースでも、スーパースターのような振る舞いはしなかった;
AS: 初めて世界タイトルを手にした時が難しかったでしょうか?それともタイトルを守る時の方がより困難でした?
Patrick Chan: タイトルを守ることの方がよっぽど難しかったよ。独特の状況だったからね。僕は良いシーズンを過ごしてきていたから、僕がタイトルを守るものだと思われてた。だからそういう流れが僕にとってはプレッシャーに感じてたんだ。だから初めてワールドで優勝した昨年と同じというわけにはいかなかったね。今回はSPの後、そんなに差を広げることが出来ていなかったし;ものすごく集中しなきゃいけなかった。僕は自分のパフォーマンスにだけ集中するんだって自分に言い聞かせなきゃいけなかったんだ。他のスケーターを気にするんじゃなくてね。今回は沢山のことを学ぶことが機会だったよ。
Patrick Chan: 十分なことは出来てるって解ってたよ。それまでで十分なスコアを獲れていると思ってた。パーフェクトな滑りじゃなかったけど、スマートな滑りで、小さなスコアを積み重ねられるくらいに十分良いものだったと思ってる。それに僕ら全員がミスしてるんだ。僕らみんな人間だって証明だね。
AS: 一部の人はあなたが時にオーバースコアを受けていると言っていますが。それについてはどう思います?
Patrick Chan: それについて満足な答えは出来ないかもしれない。僕はただリンクで滑るだけなんだから。僕の役目は僕のスコアについて判定したり議論したりすることじゃない。
AS: オリンピックまではもう少しありますが。あなたは現在先頭を走っていますが、ソチにいたるまでこのままTOPでい続ける為には何が必要だと考えてますか?
AS: フランスで滑ることは如何でした?
Patrick Chan: フランスの生活が大好き。それに山々や海といった景色がとても美しいんだ。ニースを本当に堪能できたよ。近いうちにまた来たいと思ってる。スケート以外でね。ただ自分が愉しむためだけにまた来たいって思う。ラッキーなことに僕はフランス語も話せるから、周りの人たちとコミュニケーションも取れて文化を楽しむことが出来るよ。
Patrick Chan: 最高だよ。数年前にちょっとしたいざこざがあったけれど、僕はフローランやブライアンといつも仲良くやってる。僕らは今お互い明らかに成熟したくらい、それは大昔のことだよ。僕らはこのスポーツに長い間いるし、それに僕らには不必要な議論に費やす時間の余裕なんてないんだ。とても良い関係を築けてるよ。
他のジャーナリストもまた多くの質問をパトリックに浴びせ、彼もまた沢山の興味深い返答を返していた。以下はそれらの記録です。
Q. FSの最後の方は少し疲れているように見えたけど。なぜ?
Patrick Chan: ここに来る前にちょっと雑な週を過ごしてしまって。リンクに行っては良くない練習になってしまって、イライラして自宅に戻るっていうような日が何日かあったんだ。それから決めたんだ。もしランスルー4回やらなければもっと沢山のことが出来るって。その代わりにプログラムの部分部分を練習して行こうってね。ヨーロッパスタイルのトレーニング方法でやってくことにしたんだよ。多分これが今シーズン、プログラムの後半で十分な体力が保てていない理由なんじゃないかと思うんだ。今回は大輔も疲れを感じたって言ってたし、ペアスケーターの何人かも同じことを言ってたよね。だからきっと空気の問題かも。余分な興奮と観客からの熱とか。でもいつも完璧な環境やシチュエーシンを持てるわけじゃないからね。これはオリンピックに向けて僕が身につけなきゃいけないスキルだと思う。高地でのトレーニングでナイスな週なんて持てることないだろうし、それに対処しなきゃいけないね。
Q. 1つのコンボの後、殆どボードにぶつかりそうになっていましたが。どうしたの?
Patrick Chan: 自分で足を引っ込めたことは本能のなせる技だったよ。慣れているコロラドのオリンピックリンクで滑っててもそうなんだけど、僕は時々ボードにぶつかりそうになるんだ。だからこういう動きには慣れてるのかも。広がりすぎないように、一種のショートカットみたいなもんだね。体が覚えてるとしか言いようがないな;体が勝手にそう反応するって凄いことだよね。
Q. 1つめのクアドではなくて、2つ目のクアドルプルトゥにトリプルトゥを付けたのはなぜ?
Patrick Chan: SPと同じだよ(最初のクアドの状態が良くなかったため、コンビネーションにするリスクを避けた)。最初のクアドを跳んだ時、そんなに良くないって感じたけど、でも着氷はした。“おぉ、良かった!次のはもっといいはず”って思ったよ。大抵2つ目のクアドの方が出来が良いからね。色々修正してジャンプに臨めるから(1つ目のクアドから悪い部分を修正して2つ目に挑める)。意識的にやってるわけじゃなくて、体が自然にそうしてるんだ。
Q. FSでは最終滑走でしたね。他のスケーターの滑りは解ってた?
Patrick Chan: 大輔がリンクに出た時、僕はウォームアップを始めたところでイヤホンを着けてたんだ。それまで僕は結弦がとても良い滑りをしてリードしてることは解ってた。ここは本当に隔離されているわけじゃないから、どんな小さなことも聞こえてしまう。だから僕は大輔やミハル、他のスケーターがどんなだったか少し解ってたけど、スコアや細かい所までは知らなかったよ。去年と同じだって思ってたんだ:僕が出て滑る。もしいつもの90%の出来だとしても、大丈夫なはずだってね。プログラムを力強く始める必要があることだけは解ってた。それが僕の焦点だったしね。それからは、その勢いを使って流れを続けされるんだ。それが出来たよ。
Q. プログラムを終えた時、満足でしたか?それとも勝つ自信が揺らいでた?
Patrick Chan: 自信が無くなってはいたわけではなかったよ。動揺っていうか、ダブルアクセルで転倒したことにがっかりしてた。プログラムの終盤は本当に良い流れだったんだ。それなのに僕はその流れを完全に壊してしまった。それにこれが際立ってしまうことも解ってたし、最高になんて全く見えないことも解ってたよ。消し去りたいと思う小さな事の一つ。来シーズンは新しいプログラムになって、それも同じように感動的になるだろうけど、今回のFSは本当に僕のお気に入りで特にそのセクションが素晴らしいと思ってるんだ。だからみんなの記憶に残らないくらい、僕が素早く転倒から起き上がっていられてたら良いんだけど。
Q. 全体的にFSはどうだったと思いますか?
Patrick Chan: 独創的だったね(と笑いながら皮肉っぽく)。でもスマートな滑りだったし、乱暴な滑りでもなかった。ミスは僕も人間だっていう証拠だよ。SPでもFSでも、僕はフィールドを開け放したってこと。おかしなことだね;僕は自分で他のみんなにすごいチャンスをあげちゃってるんだから。それに沢山のことも学んだよ。望むなら、次回はこんなこと無いようにしたいね。
Q. プログラムを終えた時、勝ったと思いましたか?
Patrick Chan: ああ。氷から降りた時には解ってた。5人のスケーターのパフォーマンスが終わるのを待った後でも僕はプログラムを強く始めることが出来た。待ってる間の40分の間をキッチリ計画通りに出来たんだ。横になり、足を上げる、そして立ち上がって、周りを歩く。時間をかけてね。それからエネルギー補充と血糖値を上げる為にに少し食べ物を獲る。それが上手く運んで、僕は本当にリラックスできてた。いつもは頭の片隅に不安があるんだけど:もしまたあのハメになったらどうする?オリンピックでもし最高のSPを滑れてFSで最終滑走とかになったらどうする?それが世界選手権だったら?そんな感じで、今回それに対処出来たことは僕にとって大きなステップになったよ。前もこの順番になったことがあるけど、今はこの順番でも大丈夫だと思える快適な方法を学んだんだ。
Q. 今回はあなたにとって2度目のタイトルとなりましたね。どちらがより特別だと感じますか?
Patrick Chan: 今回だと思う。さっきも言ったけど、世界選手権の前にちょっと大変な週を過ごしたからね。殆ど止めてしまいたいと思ったくらいにね。そういうめったにない状況でニースに来て、そういうのを全部過去に押しやった。疑念はあったさ。でも自分をただ信じてた。シーズンを通して十分ハードな練習を積んできてることは解ってるし、やるべきことは全てやってきた。成功につながるどんな小さなこともね。
Q. 羽生結弦の滑りを見た時どう思いましたか?“なんてこった、ソチでの強敵出現だ”とか?
Patrick Chan: スケートは、特にこの新しいジャッジングシステムの下では、ジャンプ以上のものが求められる。日本のスケーター達はいつも技術的に強いね。彼らは僕よりずっと素晴らしいし、他の誰よりも素晴らしいんだ。でも同時に皆にスパークを与える感覚も必要なんだ。プログラムが終わった時には観客に“まあ、もう終わっちゃったの?”と言って欲しいだろ。こういう感覚を持ちたいんだ。僕は最終的にそれで勝っていたのかと思う。勿論僕もこれからもずっと良くなろうと挑戦するよ。もし今シーズンと前のシーズンのビデオを見比べたとしたら、僕はどう成長したか見ることが出来る。それを来シーズンも見たいと思うんだ。ちょっとしたもの、すごく小さなことでも構わない。それが大きな違いとなるんだからね。
Q. 多くのコーチや元スケーター達があなたの勝利に疑いがないことに同意していますが、観客は結果に同意していない様子ですが。あなたにとってはどう聞こえますか?
Patrick Chan: 沢山の人たちと共有した長いシーズンだったよ。僕は僕と同じくらいスケートに関わったことがある人ならば、毎日、毎年、どれだけのことをしたらこのポイントに到達することが出来るのか解っていると思う。僕はネガティブなブーイングは聞いてない。多分何人かはブーイングしたかもしれないけど、僕は彼らがここに来て、その結果に満足ではなかったかもしれないけど、ここでスケートを見てくれたことに関して感謝してる。
Q. ニースでFSが行われた日は、あなたの前のコーチ、2006年に他界したミスター・オズボーン・コルソンの誕生日でもありましたね。彼のことを考えましたか?
Patrick Chan: プログラムを始める前、リンクに出た時から僕は感情的になってたよ。結果的に良かったけどね。ミスター・コルソンは僕をここまで導いてくれた人で、彼が全てを始めてくれたんだ。そして彼はいつか僕も世界選手権のタイトルを獲ることを予知してた。彼の思い出が僕を支えてくれてる。それがあって不安やナーバスにならず、ただ落ち着いていられたんだ。他にはなにも重要なことは無いかのように、他のスケーターの存在も忘れて、観客もメディアのことも考えずにいられた。ただ自分の為だけに滑ることが出来たし、2つのクアドも決められたんだ。ミスター・コルソンは僕がまだ子供だった頃に導きを与えてくれて、そして今もなお導いてくれてる。彼のこと、そして彼の誕生日だと考えることが、僕をナーバスな気持ちにならないよう助けてくれたんだね。練習に関しては彼はとても厳しいコーチだったけれども、大会で僕が氷に上がる時はいつも彼はそこにいてくれた。僕は彼を見て、そして何もかもうまくいくんだと安心してたんだ。今回のニースでも、その頃に感じてた感覚と同じ気持ちになることが出来たよ。
コーチの変更、そしてジャパンオープンでの輝かしいとは言えないシーズン開始を経て、パトリックはスケートカナダで銀メダルを獲得しGPSのスタートを切った。