GPIFの運用実績チャラ…世界株安で「年金5兆円消失」の恐れ
GPIFの運用実績チャラ…世界株安で「年金5兆円消失」の恐れ
(日刊ゲンダイ 2015年8月29日) http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/163188国民の年金が危機にさらされている。
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が27日、
2015年4~6月期の運用実績を発表した。
6月末時点での運用資産額は過去最高の約141兆円。
運用実績は2兆6489億円の黒字と堅調だった。
ところが、この実績には最近の世界同時株安の影響は織り込まれていない。
実は「5兆円」も国民の年金が“溶けた”可能性があるのだ。
この日の発表では、国内株の構成割合は23.39%で、金額は約33兆円分に上る。
GPIFが“基準点”にしている6月は、24日に日経平均が年初来高値の2万952円を付けたが、今月25日には1万7806円と大暴落。
下落率は約15%だから、単純計算でGPIFは約5兆円も損を被ったことになる。
「計算上はそういった理論も成り立つ」と認めていた。
マイナス額は5兆円では済まない可能性もある。
「安倍政権は株価維持を図りたいのでしょうが、GPIFは国民の年金積立金が原資。
リスクにさらされ、我慢しなければいけないのは国民です。
日本株の構成割合の中央値は25%ですが、プラスマイナス9%の幅を持たせているので、
最大で3分の1の資金をつぎ込めます。
値動きが激しい株式市場に、
ここまで巨額の公的資金をつぎ込むのは大問題です。
もはや、資金を引き揚げることも不可能でしょう。
引き揚げを示唆しただけで株価は暴落してしまいます」
(経済ジャーナリストの荻原博子氏)
安倍政権の支持率維持のための買い支えは許されない。