ベーシックインカムは起業家や若い世代を中心に、世界で一つのムーブメントを起こし始めている

よく経済特集なんかで、「生き残りをかけて~」とか言われることがあるけれど
生きる為に生き残りをかけないといけない社会なんて本末転倒。

企業が生き残りをかけてきた結果が今の社会疲弊に繋がっている。

その結果として若者の賃金は下がり、雇用は安定せず、少子化は進んだ。
そうして安心して歳を取ることが出来ない、病気にかかったら一気に貧困に陥るような社会になってしまった。

そんな社会では中高年が安心の為に貯蓄に励むのは当然のことで、
その結果、どんどんお金の流れが悪くなり、さらに経済は停滞してしまった。

安心が必要なんですよ、人には。

いや、動物でも植物でも安心というのは何よりも大切なものなんですよ。

いったい誰が一生、生き残りをかけて闘い続けたいと思うだろうか?
いったい誰が一生ずっと闘い続けられることが出来るだろうか?

人生で闘いつづけられる時なんてほんの一時。
20~40歳くらいまでで、健康である時だけ。

しかし今の日本は、健康な20歳~40歳の人たちがバリバリ働くことが出来る社会だろうか?

大抵の人は健康だったら働きたいものだし、良い仕事をしたいもの。
でも歪んだ社会ではそんな健康な若者たちに、社会が活性化するような良い仕事を与えない。

それは「安心」がないから。

安心がないから一度、利権やポストを得たものは中々それを手放そうとしない。
どんなに社会を歪める事になる仕事だったとしても(東電が判りやすい例だけど)

まず安心があってこそ。
すべてはそこからだと思う。

それを肌で感じる人は増えてきている。
それはあまりにも社会が酷い仕組みだったことを知る人が増えたから。

どうして自分が生きた時代より酷くなる社会を、自分の子供たちに手渡せるだろうか?

今の日本は、自分の老後を心配し、子供たちの将来を心配するのが普通になってしまっているが、それは社会の酷いシステムを知る人が少なく、声を上げる人が少なかったから。

でももう、社会システムの酷さを知る人はここ5,6年で急速に増えた。
そろそろベーシックインカムの議論が普通に出来る社会になってきてるのではと思う。



【新】「全員に金を配る」。壮大な社会実験が始まった

2017/1/9
北欧で会した2つの主体
2016年12月1日、北欧の小国フィンランド。時折路面も凍てつく極寒の中で、
首都ヘルシンキの一角は、異様な熱気を帯びていた。

ベーシックインカムは、我々の世代のMoonShot(月面ロケット打ち上げ)だ」

世界各国から約2万人が集まる欧州最大級のテクノロジーイベント「SLUSH」のステージで、ベーシックインカム(BI)のセッションが行われ、大勢の聴衆が押しかけていたのだ。

BIとは、国民に対し、収入、職業、年齢などにかかわらず、
全員に無条件で最低限の収入を給付する制度だ。

国民全員の生活を保障する一方で、生活保護や年金などの複雑な社会保障を根本的に変えうる潜在性を秘めている。
純化すると、「全員にお金を与えます」という仕組みだ。

だが、そんな国家政策にも関わる議論が、なぜ北欧のテクノロジーイベントで取り上げられ、参加した起業家らの注目を集めたのか。

それは2017年にかけて、これまで「理想論に過ぎない」と揶揄されることもあったBIについて、実際に試験導入へと踏み込んだ2つの主体が、一堂に会していたからにほかならない。

フィンランド(政府)。2017年1月にBIの試験導入を開始した。
 
Yコンビネーター(米ベンチャーキャピタル)。シリコンバレー近辺のオークランドで社会実験を本格化させた。

そして、何よりも興味深いのは、役割の全く異なる2者がBIに突き進む理念が、起業家や若い世代を中心に、世界で一つのムーブメントを起こし始めていることだ。




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0218 全員が働く種は滅びる Dr.苫米地



「働かないアリ」のおかげで、アリの社会が長く存続できるワケ
(All About News 2015/8/13) http://allabout.co.jp/newsdig/c/86396

(抜粋)

 ──そういえば、先生のご研究で、コロニー(巣)の働きアリの中には、
まったく働かないアリがいることが分かったそうですね。
働きアリは全員がずっと働いているものだと思っていました。


長谷川 
そう思うのが普通ですが、実際に働かないアリだけを集めて観察してみると働くアリが現れ、
逆に働くアリだけにすると働かないアリが現れることも分かったんですよ。

 ──なるほど。アリだって働けば疲れるし、回復するまでには休みも必要だということですね。

長谷川 
はい。働いていたアリが疲れてしまったときに、それまで働いていなかったアリが働き始めることで、労働の停滞を防ぐ。
つまり、働かないアリがいるシステムの方が、コロニーの長期的な存続が可能になるということです。

働かないアリは、怠けてコロニーの効率を下げる存在ではなく、
むしろそれらがいないとコロニーの存続が危ぶまれる、極めて貴重な存在だと言えます。

要は、アリの中には仕事があるとすぐに働き出す者から、
働き出すまでにすごく時間かかかる者まで、いろいろなタイプがいるということです。

当然、働けば疲れるので、休まなければなりません。

誰かが休むときには、スタートが遅い者が「そろそろやるか~」と働き始めるので、
組織がうまく回っていくというわけです。

さらに面白いのが、働かないアリ(働き出すのが遅いアリ)だけを集めれば、
組織活動が停止してしまうように思うのですが、そうなりません。

その中から早く働き出すアリが現れ、組織はやはりうまく回っていくというわけです。
逆にしかりで、働くアリだけにすると、今度は働かないアリが現れるというわけです。

つまりアリは、みんながガンガン働いても駄目だし、
みんながのんびりやっていても駄目だと分かっているわけです。

組織が形成されたら、働き者と怠け者が一定数現れて、
結果として全体がうまく回るようにしているのです。
小さいのに、すごいやつらです。


 ──働かないアリがいることこそ、アリの社会が健全に運営されていく秘訣でした。
人間社会でも、仕事が早い人、遅い人、真面目な人、不真面目な人、理屈で動く人、勘で動く人……さまざまなタイプの人がいますが、こういう状態こそ社会が健全な証拠なのでしょう。
 
組織の中で「こうであらねばならない!」と画一的に締め付けを行うと、うまく回らなくなってしまうのです。

リーダーの皆さんは、いろんなタイプの部下がいて、イライラすることもあるでしょうが、
「こういうやつがいるからこそ、この組織はうまく回っているのだ」と思ったほうが、精神的もよろしいと思います。アリさんに笑われます。


(抜粋おわり)