【転載】 【2018年西日本豪雨】政府の「空白の66時間」を視覚化

【2018年西日本豪雨】政府の「空白の66時間」を視覚化

 

2018/07/08 15:19
    台風7号が九州に接近した2018年7月3日以降、西日本を中心に記録的な豪雨に見舞われている。全国各地の死者・行方不明者数は100名を越え、避難指示・勧告は北陸から九州の23府県で計863万人に及ぶ。
    (7月8日10時時点)

    気象庁は7月5日14時に大雨としては異例の緊急会見を東京と大阪で実施し、「72時間や48時間などの降水量の記録を更新する、記録的な大雨になる恐れがある」として早い段階から注意喚起してきた。

    一方、政府が非常災害対策本部を設置したのは、この記者会見から実に66時間も経過した7月8日8時であった。

    本記事では、この政府の初動対応を視覚化する。具体的には、過去の大規模災害との比較空白の66時間のタイムテーブルを用いる。

    災害発生から非常災害対策本部設置に政府が要した時間
    (近年の大規模災害との比較)

    イメージ 1
    上のグラフは直近4つの大規模災害について、政府が非常災害対策本部設置に要した時間、死者・行方不明者数をまとめている。人数の多さで単純な比較はできないが、過去3つの災害については災害の規模が大きいほど発生後すぐに災害対策本部が設置されている。
    その中で、100名を越える犠牲者を出しながら66時間も要した今回の西日本豪雨はグラフの中でも異様な存在として浮き上がっている。

    空白の66時間 タイムテーブル

    気象庁が緊急会見を開いてから、政府が非常災害対策本部を設置するまでの66時間に何があったのか。
    これを3つの項目ごとに時系列に並べて整理していきたい。

    ・首相動静
    気象庁
    ・被害状況
    イメージ 2
    まず、7月5日夜の首相の動きに着目したい。
    すでに気象庁「観測記録を更新するほどの大雨による大規模災害」を注意喚起している中、衆議院宿舎で自民党の宴会に参加
    この日の様子は複数の自民党議員がSNS上にアップしている。写真から判断して30名ほどが参加したと見られる。
    西村康稔 内閣官房副長官Twitter画像>(当日22:02投稿)
    ✳︎2018/7/8時点で投稿は削除
    イメージ 3
    片山さつき議員のTwitter画像>(当日22:58投稿)
    ✳︎2018/7/8 10時時点で投稿は削除されず残っている
    イメージ 4
    西日本では数十年に1度レベルの重大な災害の危機が差し迫り、すでに避難勧告も始まっている中、「和気あいあい」と「気さくな写真を撮り放題」し、「大変な盛り上がり」を見せたことが写真からもよく伺える。

    まさに避難勧告が出ている兵庫県選出・西村議員
    「まさに自由民主党」というコメントが実に味わい深い。

    翌日以降も首相動静からは災害対策に向けた目立った動きはほとんど確認できない。その間、各地で大雨特別警報や避難指示・勧告の範囲が広がり、死者・行方不明者数がどんどん膨れ上がっていった。
    結局、気象庁の緊急会見から66時間を経過後、非常災害対策本部が設置された。

     最後に、8日午前に首相官邸で開かれた非常災害対策本部 第1回会議での総理の発言を紹介し、本記事を終わりたい。
    救命救助、避難は時間との戦い
    引き続き全力で救命救助、避難誘導にあたってもらいたい

    『災害は自宅でのんびり過ご過ごした後「時間との闘い」』
    https://ameblo.jp/kinakoworks/entry-12389436082.html
    ↓7月7日の首相動静。午後は丸々自宅でくつろぎタイム。
    首相動静(7月7日)
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2018070700281&g=pol
    午前8時現在、公邸。朝の来客なし。
     午前9時43分、公邸発。同44分、官邸着。
     午前10時1分から同16分まで「7月5日からの大雨に関する関係閣僚会議」。
     午前11時35分、官邸発。
     午前11時49分、東京・富ケ谷の私邸着。
     午後は来客なく、私邸で過ごす。
     8日午前0時現在、私邸。来客なし。

    イメージ 7
    イメージ 5

    イメージ 6

    豪雨災害で安倍首相の対応がヒドい! 自民飲み会優先、対策本部立ち上げず2日間放置しながら「時間との戦い」と大見得 http://lite-ra.com/2018/07/post-4113.html @litera_webさんから

    十数人もの死者が出ているのに、安倍首相は災害対応せず私邸でのんびり

     報道の大半がオウムに時間を割かれるなか、事態はどんどんと深刻化。この6日には、18時10分に福岡県と佐賀県長崎県に大雨特別警報が出され、気象庁は「これまでに経験したことのないような大雨」「重大な危険が差し迫った異常事態」「土砂崩れや浸水による重大な災害がすでに発生していてもおかしくない状況」と呼びかけた。その後も、同日中に広島県岡山県鳥取県京都府兵庫県に大雨特別警報が出ている。
     そして、気象庁の呼びかけのとおり、6日夜から7日にかけて西日本のさまざまな地域で甚大な被害が報告され、7日14時時点で14人死亡、4人が意識不明、少なくとも50人の安否が不明という状況だった。だが、繰り返すが、このとき安倍首相は、非常災害対策本部を立ち上げることもなく、私邸で過ごしているのだ。
     6日の時点で今回の豪雨が「異常事態」なのは明白だったにもかかわらず、きょう8日になるまで「非常災害」であることを認めず、対策本部を設置しなかった安倍首相。ミサイルの危険から身を守るのにも役立たずでしかないJアラートをさんざん発動させて国民の危機感を煽ることにはあれだけ熱心だったのに、実際に死者を含む被害者が広範囲にわたってでていても対策本部さえ設置しないとは、国民の命を軽視しているとしか考えられないだろう。
     だいたい、近年の災害の多さを考えても、迅速な対応のための準備が不可欠であることはわかりきった話だ。事実、ちょうど1年前には九州北部豪雨が起こり、2015年には関東・東北豪雨が、さらに2014年には広島市で土砂災害を起こした豪雨が発生している。もはや「数十年に一度の重大な災害」は、いつ起こってもおかしくない状況にある。
     なのに、安倍首相にはそうした危機感がまったくない。それは今回の遅すぎる非常災害対策本部の立ち上げだけにかぎらず、災害時の救助活動に対する整備でも言える。

    被害拡大のなか、自衛隊を引き連れてのフランス外遊を止めようとしない安倍首相

     たとえば、昨日、愛知県岡崎市消防本部に配備されている「レッドサラマンダー」が、人命救助のために岡山県に出動したことが報じられた。このレッドサラマンダーは全地形に対応できる特殊車両で、九州北部豪雨でも活躍。しかし、配備されているのは全国でただ一カ所のみ。ちなみに昨年、弾道ミサイル迎撃のために購入を決めた「イージス・アショア」2基の値段は約2000億円。かたやレッドサラマンダーは1台約1億円だというから、イージス・アショア2基分の予算で全国の市町村にレッドサラマンダーを1台ずつ配備してもお釣りが出るほどだ。
     頻発する災害への対応が求められていながら、災害や人命救助のための設備を整えることはせず、攻撃にも使えるイージス・アショアや安全性に問題のあるオスプレイなどの軍備にばかり血税を注ぐ……。安倍首相は「国民の生命と財産を守る」などと威勢のいいことばかり口にするが、一体、何をしているというのだろう。
     しかも、現在も安否不明や孤立状態にある人が大勢いるにもかかわらず、安倍首相は11日からのベルギーやフランスへの外遊の予定を変更する様子もない。言っておくが、外遊は国会から逃げるためにセッティングしただけの、急を要するようなものではない。
     その上、フランス革命記念日である14日にパリでおこなわれる軍事パレードには、自衛隊の儀仗隊員も参加させる予定だ。「非常災害が発生した」と認めれば、軍事パレードへの参加で自衛隊をアピールしたいのに外遊に行きづらくなる。そのために非常災害対策本部を設置するのを渋ったのではないか、という気さえしてくる。
     軍事力の拡大という自分の欲望を満たすことを優先し、国民の危険は二の次、三の次で気にもかけない。今回はあらためて、安倍首相の身勝手さと冷酷さが浮き彫りになったと言えるだろう。