8月15日 終戦記念日、敗戦の日のニュース


東京新聞:首相「加害と反省」触れず 戦没者追悼式で6年連続


 安倍晋三首相は十五日の全国戦没者追悼式での式辞で、先の大戦でのアジア諸国への加害責任に触れず、反省や謝罪の言葉もなかった。第二次政権発足後、六年続けて「加害と反省」を盛り込まなかった。「国の未来を切り開く」との表現は六年連続で使用。過去に区切りを付けて未来を志向する傾向が際立っている。
 首相は「戦後、わが国は平和を重んじる国として、ただ、ひたすらに歩んできた。戦争の惨禍を、二度と繰り返さない。歴史と謙虚に向き合う」と述べた。在位最後の追悼式となる天皇陛下は、お言葉で「深い反省」に言及した。戦後七十年の二〇一五年以降、四年続けて「深い反省」の表現を使っている。
 全国戦没者追悼式の首相式辞を振り返ると、一九九四年、当時の村山富市首相が日本の加害責任に言及し、反省の言葉を語った。その後、一二年十二月に第二次安倍政権が発足するまで、歴代首相は式辞で加害と反省に触れた。安倍首相も第一次政権時の〇七年には「多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えた」と認め、「深い反省」の意を示した。
 首相が第二次政権発足後、「加害と反省」の表現を使わず、未来志向を強調する背景には、次世代に「謝罪を続ける宿命を背負わせない」(一五年の戦後七十年談話)との思いがあるとみられる。今年五月に日中韓首脳会談が約二年半ぶりに日本で開催され、十月にも首相が訪中する方向で調整が行われるなど、東アジア諸国との関係が改善傾向にあるが、首相は式辞で従来のスタイルを踏襲した。
 与党・公明党山口那津男代表は十五日、東京都内での街頭演説で、先の大戦に関し「多大な損害をもたらしたわが国の行為に対し、心からの反省とおわびの気持ちを込めて、平和の尊さをかみしめなければならない」と訴えた。 (小椋由紀子、山口哲人)


文大統領が過去の問題での日本言及を最小化した理由は?

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/31366.html
登録:2018-08-15 23:27 修正:2018-08-16 07:29

北東アジア平和構築への日本の協力を考慮 
朝日関係正常化の期待も込めて 
大統領府「慰安婦被害者メモリアルデー演説で十分言及」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、日本政府に向けて未来の北東アジアの平和と繁栄のために“協力”しようというメッセージを送った。昨年の光復節、今年の3.1節記念演説で「日本の反省」を促したのとは様子が変わった。
 文大統領はこの日、光復節の祝辞で「安倍首相とも韓日関係を未来指向的に発展させていき、朝鮮半島と北東アジアの平和と繁栄のために緊密に協力することにした」として「その協力は結局、朝日関係正常化につながるだろう」と話した。光復節の祝辞で過去の問題に関する対日本政府メッセージがなかったことは異例だ。文大統領は昨年の光復節当時、「韓日関係の未来を重視するからといって歴史問題に蓋をして行くことはできない。歴史問題をきちんと決着づけたときこそ両国間の信頼は深まるだろう」とし、今年の3.1節記念演説では日本の独島(ドクト、日本名・竹島)領有権主張を批判し、日本軍「慰安婦」被害者問題を取り上げて「加害者である日本政府が『終わった』と言ってはならない」として断固たる立場を表明した。
 文大統領がこの日、日本に対するメッセージを“最小化”したのは、朝鮮半島の非核化と平和体制の定着へ向かう局面で、主要な周辺国である日本を排斥しない意思を表わしたと見られる。3回目の南北首脳会談と朝米交渉などの動力を用意するためには、日本の協力が必須という判断が敷かれている。過去の問題と現在の韓日関係を分離する「ツートラック・アプローチ」を続ける意志とも解釈される。前日、文大統領が日本軍「慰安婦」被害者問題が「人類普遍の女性人権の問題」と強調し、「両国間の外交的解決法で解決される問題ではない」 「韓日間の外交紛争につながらないことを願う」と述べたのも、このような脈絡と見られる。
 大統領府関係者は「文大統領の祝辞は、北東アジア共生繁栄と経済共同体を共につくりあげようという未来指向的観点に焦点が合わされた」と説明した。また別の関係者も「すでに韓国政府は初めて『慰安婦』被害者メモリアルデーを国家記念日に制定して賛えるなど、私たちがすべきことはしていくという意向を明らかにした」と話した。
ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/857762.html韓国語原文入力:2018-08-15 18:42
訳J.S



報道特集』が日本軍の戦犯証拠隠滅の実態を明らかに! 安倍政権の歴史修正主義と公文書改ざんの原点

http://lite-ra.com/2018/08/post-4190.html @litera_webさんから 2018.8.15


 戦後73年が経ち、今年も8月15日を迎えた。今夏も各メディアで戦争を振り返る企画が組まれているが、8月11日に放送された『報道特集』(TBS)の「戦争と記録 大量焼却のワケ」はまさに、現在につながる問題を鋭くえぐった特集だった。
 第二次世界大戦における日本の加害事実や戦争責任について言及すると、歴史修正主義にまみれた安倍応援団やネトウヨは、アメリカやソ連の一方的な主張や資料に基づくでっちあげなどとがなり立てる。実際は日本兵の証言などもありそれ自体ウソなのだが、しかし日本の加害や戦争責任の全貌を見えづらくした要因は、日本にこそある。
 それは、敗戦直前、日本政府や軍が責任逃れのために戦時資料の焼却処分を行ったからだ。
 ポツダム宣言受諾後の8月14日に閣議決定された焼却命令は、東京だけではなく、地方にまでおよんだ。『報道特集』ではその一例として、広島県福山市に残されていた8月17日に焼却された書類を記したリストを紹介。そこには、徴兵関係や日中戦争に関する書類が焼却されたと記されており、また、番組では軍人名簿が焼かれたことで、恩給の給付に支障をきたした地方自治体があるとも紹介されていた。
報道特集』は加えて、実際に焼却に携わった人からの証言も複数紹介している。
 まず、逓信省航空局で暗号を翻訳する業務についていた前沢正己氏は、上司の命令によりありとあらゆる資料を防空壕のなかに入れて焼却処分したと語る。それは電話帳まで燃やすという徹底ぶりで、焼却には2日ほどの時間をかけ、防空壕のなかの空気が足りなくなってなかなか燃えずに大変だったと振り返る。
 戦争に関係する書類を燃やしていたのは、役所だけでなくメディアも同様だった。同盟通信の写真部に勤めていた渡辺清氏は、上司からの命令があり、日比谷公園で書類を焼却するよう言われたと証言している。ちなみに、焼却する理由について上司から説明はなかったという。
 終戦当時内務省の官僚だった故・奥野誠亮元法相は後年、公文書焼却の指示についてこう明かしている。
ポツダム宣言は「戦犯の処罰」を書いていて、戦犯問題が起きるから、戦犯にかかわるような文書は全部焼いちまえ、となったんだ。会議では私が「証拠にされるような公文書は全部焼かせてしまおう」と言った。犯罪人を出さないためにね。会議を終え、公文書焼却の指令書を書いた」(読売新聞2015年8月11日)
 番組でも「戦犯処理されたら気の毒だから、犯罪人を出さないようにするために公文書を焼けと言った」と会見で語る奥野の映像を紹介している。
 ようするに、終戦直後に各所で急きょ書類が燃やされたのは、戦争責任の追及を免れるためであり、戦争犯罪に関する証拠を隠ぺいしようとする意図からだった(1946年1月3日にはGHQから復元命令を出されている)。
 ノンフィクション作家の保阪正康氏は番組内のVTRに出演し、終戦直後に行われた公文書の焼却は、自らの保身や責任逃れのために行われた「後世の人間に対する侮辱」とこう評価した。
「後世の人間に対して、この戦争を客観的に検証しろということの放棄。私たちの世代への侮辱だと私は思っています。次の世代への侮辱ですね。次の世代は、戦争について歴史的な検証をする必要がありますね。そこから逃げたわけですね。僕はこの罪のほうが大きいと思う」

安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は同根でつながっている

 現在82歳で、戦争を知る世代の毒蝮三太夫氏も怒りを滲ませた。戦争に関する資料が隠ぺいされたことにより、子孫たちに正しい歴史を伝えることができなくなったからだ。

「戦争っていうのはこんなに悲惨で、こんなにむごいもので、狂ったように相手を殺すんだということをね、いま我々は言っていかないと。運が良かっただけですよ、知らなかったのは。自分の歴史というのを糧として生きてるんだもんね。だから、書き残すとか振り返るというのはとっても大事ですよね。それが正しくなければ、非常にゆがんだ報告が残るわけでしょ」
 まさに、この廃棄処分が歴史を歪め、歴史修正主義を生み出す温床となっている。実際は、日本軍の残虐な行為を証明する旧日本軍兵士の証言や、戦時記録も僅かに存在するが(たとえば、中曽根康弘や故・鹿内信隆産経新聞社長の日本軍による慰安所運営に関する証言など)、公文書がほとんど残されていないのをいいことに、歴史修正主義者たちは「証拠がない」などと主張しているのだ。
 繰り返しになるが、日本の戦争責任や加害の実態の全貌を見えづらくしている最大の要因は、責任から逃れるために公文書という一級の第一次資料を破棄するという、日本のあまりに卑怯な行為だ。
 しかも、この都合の悪いものは捨ててしまえという卑怯なやり口は、現在にもつながっている。毒蝮氏は先の発言のあと、こう付け加えていた。
「改ざん。よくいま平気でやるような時代になった。怖いね」
 毒蝮氏が指摘している通り、安倍政権下の日本では、終戦前後の日本で行われたことと、そっくりな文書破棄や改ざんが次々と起きている。自衛隊の日報隠ぺいや森友学園に関する決裁文書の改ざんなど、公文書に関する前代未聞の不正行為が発覚している。
 また、終戦直後の日本と現在の日本とでは、上に立つ人間が自らの保身や責任逃れのために公的文書を不正に扱うという点以外にも、もうひとつ共通点がある。TBS報道局の金平茂紀氏は、実際に公的書類焼却の現場に立たされたのは、組織のなかでも下のほうにいた人間であったことを指摘しながらこのように語った。
「破棄に関わっていた人たちが自分たちのことを『下っ端、下っ端』って言ってたでしょ。上の人が下の人に対して汚いことを押し付けるという構造は、まったくいまと同じ構造だと思うんですよね。森友のときも自殺した人というのは、いちばん現場に近い人だったんですよね」
 公文書は言うまでもなく、為政者の私物などではなく市民の共有財産だ。それが改ざんされたり、破棄されるということは、同時代の社会の根幹を揺るがす問題であると同時に、さらに後の世代がのちに振り返って事実を検証することを阻害するものであり、これは人類史において多大な損害だ。そう考えると、安倍政権の公文書改ざんと歴史修正主義は根っこのところでつながっている。
 安倍政権によっていまも現在進行形で“歴史の改ざん”が行われているという事実。戦争責任から逃れるために戦争の記録を焼き捨てたという事実。この2つの事実を私たちはもっと重く受け止めるべきだろう。

文大統領 解放記念日演説で日本に「協力」のメッセージ


【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領は15日、日本による植民地支配からの解放を記念する光復節の式典で行った演説で、日本に「協力」のメッセージを投げ掛けた。

 文大統領は、朝鮮半島の平和に対する国際社会の支持を紹介しながら、「安倍(晋三)首相とも韓日関係を未来志向で発展させ、朝鮮半島と北東アジアの平和と繁栄に向け緊密に協力することで一致している」と述べた。また、こうした協力が「結果的に朝日(日朝)関係の正常化につながるだろう」と指摘した。日本政府が推進する北朝鮮との首脳会談に韓国が協力するという基本的な立場を示したものと受け止められる。
 文大統領は昨年の光復節の演説では、新たな韓日関係に向けたビジョンを提示し、同時に慰安婦や強制徴用など歴史問題の解決の重要性を強調した。今年は対日関係と関連し、簡単ながらも絶対に欠かせない前向きなメッセージのみを演説に盛り込んだといえる。歴史問題に対する韓国政府の基本姿勢はすでに日本に十分伝わっているとの判断が背景にあるようだ。
 また、1998年の「韓日共同宣言」から20周年を迎え、韓日関係が全般的に回復基調に差し掛かっていることも考慮したとみられる。



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