アメリカの「債務上限」問題。アメリカ政府の国庫は「10月17日」に底をつく。

 
10・17「米国デフォルト」現実味…その時、世界経済は?
 
 
このままアメリカは、デフォルトに陥るのか。
アメリカの「債務上限」問題が一気に緊迫し始めている。
 
 
日本と違ってアメリカは、政府の借金枠が法律で決まっている。
現在、上限は16兆7000億ドル(約1630兆円)。
すでに上限に達し、新たに借金できない状態だ。
 
 
アメリカ政府の国庫は「10月17日」に底をつく。
それまでに議会が「債務上限の引き上げ」で合意しないと、
米国債の利払いができず、
デフォルトという前代未聞の事態に突入してしまうのだ。
 
 
 「民主党共和党が話し合いを続けているが、野党の共和党は妥協しようとしない。
とくに下院の“ティーパーティー系”50人は強硬です。
オバマ大統領を助けるつもりはサラサラない。
共和党関係者のなかには
“デフォルトに陥っても構わない”
“デフォルトが起きたらどうなるか見てみたい”
と考えている者までいるほどです」(議会事情通)
 

もし、アメリカがデフォルトに陥ったら、世界経済はどうなるのか。
 
 
 「最後は共和党も妥協すると思う。
株価を下げたい連中が危機をあおっているのでしょう」と断りながら、
東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏がこう言う。
 
 「実際に起こったら、世界中が“えっ!”と、思考停止になるはず。
まず一斉に株が売られる。
借金ができなくなったアメリカは、強制的に緊縮財政を強いられるから、
その後、大不況に突入するのは間違いありません」
 
 
 
株式アナリストの黒岩泰氏はこう言う。
 
 「基軸通貨国がデフォルトに陥ったことは過去、例がない。
初めての経験だけに世界経済はパニックになるでしょう。
恐らく、株も債券も、売れるモノはすべて売られ、現金に換金される。
一番の問題は、信用できるモノがなくなることです。
銀行への取り付け騒ぎや、預金封鎖が起こりかねない。
リーマン・ショックの比ではない。

アメリカ発の金融危機です。
なかでも米国債を大量に保有している中国と日本は、米国債が暴落し、
大打撃を受けるはずです」
 
 
 
アメリカの凋落が始まっているのは、確かだ。