「老人優先経済」で日本が破綻 ~アベノミクスが若者世代に押し付けた罪!

 
「老人優先経済」で日本が破綻 
[著]山下努
朝日新聞社の書評サイト- 森健(ジャーナリスト) 
 
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■世代間格差の構造を批判
 
憤激の書だ。
怒りの矛先は老人、というよりも
老人を優遇してきたこの国の政治だ。

週刊誌「アエラ」の記者である著者は
財政や社会保障の問題に取り組む中で、その本質に気付いた。
 
年金、医療、介護、それらを支えるための国債を含む
1千兆円もの公的債務。
いま日本が抱える難題を遡(さかのぼ)れば、
すべて高齢者の優遇に行き着く。
本書はそんな視点から網羅的に問題を炙(あぶ)りだした本だ。
 

国民年金の保険料は若者の未納率が問題視されるが、
加入者の平均年収は159万円で受給者のそれは189万円。
 
「貧乏な若者が、自分より豊かな祖父母に仕送りをしているようなものです」と著者は苦言を呈す。

75歳以上の一人あたりの医療費は現役世代の5倍に及び、
年金は支給額53兆円のうち約50兆円を現役世代が担っている。
問題は現在に留まらず、
介護保険は近い将来20歳に加入が繰り上げられるだろうとも予想する。
 
増大する社会保障予算の不足分は国債で賄われているが、
その借金を返済するのは若者や子どもたちだ。
 
これら世代間格差、不公平の構造を著者は
「世代間財政ファシズム」と呼ぶ。

長年避けられてきた負担の問題を本書は虚飾のない言葉でさらした。
 
全世代で話しあわれるべき問題だが、
高齢者は聞く耳をもってくれるだろうか。
 
 
 

    ◇
 
 
 
 
(Amazonより転載)
 
内容紹介
アベノミクスは、高齢者の感情を無理やり奮い立たせるだけのバイアグラ!?
政権を維持するために借金を若者世代に先送り……
これが真の民主主義国家といえるのか?

朝日新聞AERAで過激な記事を書き続けている名物経済記者が、
自分の会社では書けなかったことを勇気をもって綴った一冊。
国債バブル」と「老人優先経済」の実情を知り、これ以上騙されるな!!
 

出版社からのコメント
アベノミクスが若者世代に押し付けた罪!
資本主義でもなく社会主義でもなく、
これまで経験したことのない「老人優先経済」に突入した!

60歳以下が破産しないための衝撃指南書。
―現在、年間53兆円が支出される公的年金も今後、
高齢者の急増でどんどん膨らんでいきます。

すでに現役世代が納めた保険料をそのまま高齢者で配るだけでは
足らずに10兆円規模の税金を投入しています。

「組織の高齢化により資産は負債になる」という法則は、
国にも当てはまります。

政府予算(一般会計)の税収40兆円台で、
債務が1000兆円という状況は、企業ならとっくに倒産です。

日本国にも財政崩壊、国債暴落などの政府メルトダウン
刻一刻と迫っています。
その前奏曲を奏でるのが破綻寸前の「アベノミクス」でありましょう。
日本経済の老化を隠す新たな「目隠し」なのです。
この仕組みは、真の民主主義とはいえません。
政権を維持するためには問題(借金)を先送りさせるという
欠陥があります。
その結果、政府債務が膨張し人口構成がいびつになると、
老人支配のため、そのツケは若者に回されます。

―――本書序文より
 
   

    ◇
 
   
 

(武部 克己さんのフェイスブックより)

あとがきでは伊丹万作の『戦争責任者の問題』中の
次の一文で重く締められておりました。
 
 『…さて、多くの人が、今度の戦争で騙されていたという。
みながみな口を揃えて騙されていたという。
私の知っている範囲ではおれが騙したのだといった人間は
まだ一人もいない。

…騙されるということはもちろん知識の不足からもくるが、
半分は信念すなわち意志の薄弱からくるのである。

…そして、騙されたものの罪は、ただ単に騙されたという
事実のそのものの中にあるのではなく、
あんなにも造作なく騙されるほど批判力を失い、
思考力を失い、信念を失い、
家畜的な盲従に自己の一切を委ねるようになってしまっていた
国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが
悪の本体なのである。
 

…「騙されていた」といって平気でいられる国民なら、
おそらく今後何度でも騙されるだろう。
いや、現在でもすでに別の嘘によって騙され始めているに
ちがいないのである。

 一度騙されたら、二度と騙されまいとする
真剣な自己反省と努力がなければ人間が進歩するわけはない。』
 
 
 

    ◇
 
  
 
 
戦争責任者の問題
伊丹万作

(全文はこちらより)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000231/files/43873_23111.html
 
 
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