団塊の世代が日本を滅ぼす~ 山折哲雄 × 鷲田清一の対談
学者とマスコミが人類を破滅に導く
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山折 哲雄 (やまおり てつお、1931年5月11日- )
日本の宗教学者、評論家。
専攻は宗教史・日本思想史。
国際日本文化研究センター名誉教授(元所長)、
国立歴史民俗博物館名誉教授、
総合研究大学院大学名誉教授、
鷲田 清一(わしだ きよかず、1949年9月2日 - )
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【右肩上がり世代の異常性】
鷲田:今はとにかく30代より上から高齢者まで、
全部右肩上がりしか知らない世代でしょう。
戦後、いったんガクンと落ちましたが、
いわゆる高度成長に向かいましたから。
でも、日本や世界の歴史を見て、
急激な右肩上がりが続いたのは、20世紀だけですよ。
山折:そうかな、世界の経済を見ると。
鷲田:江戸時代は200年、300年の間、物価はほとんど変わっていません。
山折:あー、そうか。
鷲田:いわゆる定常社会です。
20世紀に近代産業が生まれてから、
エネルギー消費から何から何までビューンと
1世紀で上がったわけです。
つまり、右肩上がりというのは、
人類史において非常に特殊なケースだということです。
私が思うに、高度成長期を生きて、
私が思うに、高度成長期を生きて、
それしか経験していない人々は、
子孫を心配しない人たちだということです。
明日、明後日と、だんだんよくなっていくので、
何か事が起きても、次の世代は技術も発達しているし、
今、抱えている問題も全部解決するだろうと考えるわけです。
だから、右肩上がりの世代は、
今、一生懸命頑張っておいたら、
次の時代はまた次の時代の人間がちゃんと解決してくれる
という、オプティミ二ズムで生きていけます。
ところが定常時代の人たちは、
戦争や大災害が起きたら、
自分たちの子孫は必ず飢えるという意識があるわけです。
今、生きているのもギリギリですから。
だから、今のうちに、将来世代、子孫のために
蓄えを残そうとします。
それから儲けの世界について言うと、
先代の中村宗哲(なかむらそうてつ)さんは
「儲けられるときに儲けすぎたらあかん。
ビジネスチャンスがあっても、あえてそこで儲けすぎない。
それが家が長く続く秘訣」だとおしゃっていました。
鷲田:定常社会でずっと生きていると、
何か起こったら飢えるという心配があるわけです。
ところが、今の政治経済の中枢、
リーダーになっている人というのは、
基本的に子孫の心配をしない時代に生きてきたから、
あれだけ借金が膨らんでも……。
山折:成長戦略を連呼している。
鷲田:今の30代以下の子は右肩上がりを知らないし、
感覚的に理解できない。
だから、若い世代のほうがまともだと思いますよ。
【団塊の世代が日本を滅ぼす】
山折:30代以下は、定常社会を生きる
新しい世代ということになりますか?
鷲田:われわれが若いときには、
大人になったら自動車が欲しいとか、
できれば大きいスポーツカーが欲しいといった、
ぎらぎらした上昇欲や出世エゴがありましたが、
今の若い人子にはそういう欲望が全然ないでしょう。
免許も取らないし、新聞もとらない。
右肩上がりの欲望がない。
それは人類史全体からみたら、
はるかにまともなことだと思います。
山折:おっしゃるとおりですな。われわれの世代も同じですよ。
鷲田:そうですか。
山折:車に乗りたいとか、スコッチ飲みたいとは思わなかった。
「幸福になんかなるもんか」と思っていましたよ。
鷲田:戦後世代の病ですか。
山折:まあ一種の戦後コンプレックスみたいなものかもしれないですが。
私には、「近代を生きるというのは不幸に耐えることだ」
という先入観念がありました。
19世紀文学というのは、不幸な世界を描くのが主題だった。
それが近代だ、という感覚で生活していたような気がします。
鷲田:団塊の世代は、近代ではなく、
高度消費社会を生きてきた世代です。
右肩上がりというのが、体感なんですよ。
まず背は親父より大きいですし。
山折:子どもたちはみんな、親父より背は高い?
鷲田:もちろんです。
山折:われわれは、親父と身長はだいたい同じです。
鷲田:われわれは戦後世代で、ミルクで育ちましたから。
それと何よりも学歴が違いますよ。
山折:それはそうですな。
鷲田:今の子でしたら、親父も半分くらいは大学を出ていますが、
われわれの親の時代は、旧制高校にも
100人に1人くらいしか行けない時代でしたから。
だから、何においても、成長するというのは、
親父を超えることだったのです。
それが体にしみ付いています。
山折:親父の地位が低下するのは、それと関係があるのかな。
鷲田:僕らの世代以降は、もう雑魚寝も知りません。
山折:鷲田さんは団塊の世代ですか?
鷲田:はい、そうです。
山折:私は前々からずっと、
「団塊の世代が日本を滅ぼすかもしれない」と言ってきました。
だいたいそれは当たっていますね。
鷲田:当たっています(笑)。
団塊よりもうちょっと前ぐらい、
今の70歳から60歳の間あたりから、
なんか人品が変わってきているでしょう。
山折:昔は老人にはもっと威厳がありましたが、
今はなくなってしまった。
それは、歩き方を見ていたらわかりますよ。
年を取ったから、足腰が弱ってヨロヨロしてくる。
やっぱり人間は、いいときに
舞台の正面から去るべきかもしれません。
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12/11 朝日新聞
12/1 宮崎日日新聞の記事。
生まれ育った国や故郷を嫌う人がいるだろうか。
心の問題にまで踏み込み、
もし政策として愛国的であることを強制するのなら、
恐ろしさを感じざるを得ない。
衆参で多数を得たからと言って、
なんでも強引に進めていいわけではあるまい。
「再び戦争ができる国にしてはいけない」という国民の痛切な叫びに、
首相はじめ政権幹部は謙虚に耳を傾けるべきである。
「家計より企業」鮮明に=景気浮揚を優先―税制改正大綱
自民、公明両党が12日決定した2014年度税制改正大綱には、
企業減税が並んだ。
10月には設備投資や賃上げを促す減税措置を決めており、
景気浮揚に向けて家計より
企業の税負担軽減を優先する安倍政権のスタンスが
一段と鮮明になった。
【秘密保護法】 「廃止」が後世への責任だ(よんななニュース)
【新潟日報】<社説>
■法が成立したからといって仕方がないと諦め、
その危険性から目を背けることは許されない。
本来国民のものである情報を国家が統制し、
その統制を侵す者には厳罰を科すという法律である。
そのような法律が大手を振る社会がどこへ向かうのか。
それは歴史を振り返れば明らかだ。
ここで目を背け沈黙することは、子や孫たちへの背任である。
成立した法の廃止を目指すとともに、
情報公開法の強化や公文書管理の適正化など、
政治の密室化を防ぐあらゆる手段を尽くす事が
私たちに課せられた責任だ。
同一視すべきではないという意見もあるだろう。
特定秘密保護法に危機感を募らせた東京都内の大学生らが
参院本会議で採決があった6日、
「秘密保護法を考える全国学生緊急大集会」を
「見て見ぬふりできる状況じゃない。
この『不』特定秘密保護法を本当に許していいのか」と、
参加した約300人の学生に問いかけた。
集会を企画したのは同大2年の小林叶(かなう)さん(20)。
11月26日、衆院本会議を傍聴し、
法案が強行採決されるのを見た。
「これはマジでやばい」。
同大の稲正樹教授(憲法学)に「みんなで考える場を作りたい」と相談。
フェイスブックなどで参加を呼びかけた。
一橋大などの法律専門の3教授による質疑応答では、
学生から「政府の狙いは何か」
「なぜ多くの問題を含む法案が採決されるのか」と質問が飛んだ。
学生のスピーチもあり、
中央大法学部4年、青山昂平(こうへい)さん(22)は
「法律ができればそれが集団的自衛権の行使を認めることにつながり、
戦争ができる国になってしまう。
兵隊として真っ先に連れて行かれるのは私たち若者だ」と話した。
また、小林さんは「賛成か反対の意見を強いるのではない。
でも、傍観して自分の意見を言わないことは中立とは言えず、
権力に力を与え続ける暴力行為だ」と呼びかけた。
国際基督教大3年の能田昴(すばる)さん(20)も
「法律が成立してもそれで終わりではない。
僕たち学生が政治に関心を持ち、
しっかり勉強して議論をぶつけ合わせていくことが大切だと思った」
と話した。