マレーシア航空機の爆破事件・・・欧米のメディアでは報道されなくなったが、あの連日「背後にロシアが画策している」と臭わせている報道を溢れさせていたのは何だったのか?

 
あんなに、ロシアが、ウクライナの新露派を使って、マレーシア航空機を撃ち落とさせたような
情報を溢れさせていた報道が、
今では、マレーシア航空機の事故なんてなかったかのように、何も報道しなくなったけれど、
あれはいったい、どうなったんだろうか?
 
 
過去記事
NHKニュース7でも、マレーシア航空機墜落当日17日の晩に放送された、「ウクライナ政府が公開した証拠映像」は、作成日が、7月16日だった!
五代目豆助ファンのブログ 2014/7/21(月)
http://blogs.yahoo.co.jp/hopegoldforce/11693421.html
 
 
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ウクライナ発】大統領陣営、圧勝するも米国に踊らされたツケ重く
田中龍作ジャーナル 2014年10月27日 21:36
http://tanakaryusaku.jp/2014/10/00010222
 
26日に投票が行われたウクライナの最高議会選挙は、ポロシェンコ大統領自身のブロックと大統領を支持する政党が過半数を制することが確実になった。
 中央選管の中間発表によると、ポロシェンコ大統領自身の政党「ソリダリティー」と元ヘビー級ボクサーチャンピオンのクリチコ氏率いる政党「ウダル」が合流した「ペトロ・ポロシェンコ・ブロック」の得票率が21・59%を占めている。
 大統領を支持する政党はヤツニューク首相率いる「フロント」が21・7%、キリスト教民主主義に基づく「セルフヘルプ」が10・79%となっている。
 得票率だけで見れば、「ポロシェンコ連合」は過半数を制したことになる。
 ポロシェンコ氏はじめヤツニューク氏、クリチコ氏・・・親露派のヤヌコビッチ前大統領の追放劇で活躍した政治家が、お墨付きを得たのだ。
  ~ロシアに金の成る木奪われ~
 投票所で有権者にインタビューした際、「ポロシェンコになっても何も変わらなかった」と答えた女性がいた。(前稿で紹介)
 これは「誰が大統領になっても同じ」という意味だ。
 そこそこの知識人であれば、ウクライナの経済を立て直すことがもはや不可能であることを知っている。
 

 地元通貨フリブナの対ユーロ換金レートが8月を境に急激に落ちた。大統領選前の5月には1ユーロ≒10フリブナだったのが、現在は1ユーロ≒17~18フリブナだ。
 為替レートがわずか5か月で70%も落ちたのである。
 最大の理由は国家財政の悪化だ。もともと国家予算の半分が政治家へのお手当てに消えてゆく お国柄 だった。
 それに加えて重工業地帯の東部と観光地のクリミアが税金を納めなくなった。財政が底をつくのは当然だ。
 ヨーロッパのジャーナリストと話すと彼らは異口同音に「ウクライナは政府の体をなしていない」と言う。
 イギリス国営放送のBBCでさえ‘Ukraine economy is collapsing’=「ウクライナの経済は崩壊している」と言い始めた。
 老舗の名門ホテルは気温が氷点下となっても客室にスチームを供給しない。ロビーは真っ暗で震え上がるほど寒い。  
 国家が崩壊しても政治家は痛くもかゆくもない。個人資産はすべて欧米の金融機関に預けてあるからだ。
 政変に乗じて、ロシアは金の成る木だったクリミアを手中に納めた。東部がロシアの手に落ちるのは時間の問題だ。
 政治家が米国に踊らされたツケは、すべてウクライナ国民にのしかかって来る。極東のどこかの国にとって対岸の火事ではない。
 
 
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ウクライナ発】そして誰もいなくなるのか 突きつけられる体制の選択
田中龍作ジャーナル 2014年10月30日 23:30
http://tanakaryusaku.jp/2014/10/00010227
ドネツク州東南部の港湾都市マリウポリ。クリミヤ半島やオデッサにつながる要衝の地だ。3月に虎の子のクリミヤ半島を陥れたロシアは、親露勢力を使ってマリウポリに攻勢をかけた。
 大統領選さなかの5月には政府庁舎や銀行などが火をかけられ、9月には親露武装勢力が郊外まで迫った。
 ウクライナ軍が懸命に押し返し、マリウポリは陥落をまぬかれたが、人々は連日、爆撃音に脅えた。
 この頃、脱出者が相次いだ。脱出したまま帰らぬ人もいれば、戻って来た人もいる。マリウポリの人口が減ったことだけは確かだ。
 マリウポリの銀座にあたるレーニン通りは、廃業した商店が目立つ。経営者がマリウポリを捨てたのだ。
 メインストリートであるにもかかわらず、人影はまばら。ゴーストタウンとまではいかないが、干からびた匂いがする。
 携帯電話ショップの男性店員(23歳)は9月、数回に渡ってマリウポリから脱出した。子供(当時6か月)と妻と共にキエフの親戚の家に逃れた。
 ロシアがマリウポリを統治するようになったら、どうするか? 男性店員に聞いた。彼は にべもなく 「脱出する」と答えた。理由を聞くと「(親露勢力に支配された)ドネツク市のように職がなくなる。第一、危なくなる」と答えた。
 子供がいる人ほど安全のために脱出する傾向が強い、という。
 マリウポリの民族比は、ウクライナ系46%、ロシア系48% でほぼ拮抗している。
 ほとんどの人々がロシア語を話す。街で通用するのはロシア語だ。サラリーマンと言われる人々の多くはロシア系企業で働く。
人々の大半はロシアにシンパシーを持つのだが、「ロシア統治」となると事情が違ってくる。
 ユリア(会社員・40代)さんは子供が2人いるが、脱出しなかった。「他の都市に親戚がいるわけでもなく、逃げるあてがなかったから」と理由を答えた。
 筆者は「では、マリウポリがロシア統治下に入ったらどうするか?」と質問した。
 彼女は即座に「逃げる」と答えた。避難先がないにもかかわらず、だ。理由を聞くと「表現の自由がない。治安が悪くなるから」と話した。
 EUからは「現実的な選択として東部はロシアに譲れ」との声も出始めた。筆者はロシアが電光石火の早業でクリミヤ半島を手中に納めるさまを見てきた。東部がロシアの手に落ちるのは時間の問題だろう。
 プーチン大統領が「2週間もあればキエフを陥落させることができる」と発言し物議を醸したが、それが現実だ。
 ウクライナは1991年までソ連の一員だった。30歳以上の人であれば、ソ連時代のマリウポリを知っている。
 40代の主婦は「ソ連時代はパンを買い求めるのに人々は長い列を作らなければならなかった。一方で家賃はタダだった」と話す。
 「西欧諸国には当然のものとしてある表現の自由などなくても、最低限の生活は確保できる。旧ソ連が良かったと思っている人々は脱出せずに残るだろう」。ある大学准教授はこう分析する。
 マリウポリの人々には「体制の選択」が突きつけられているのだ。ウクライナ東南部の要衝地から「冷戦時代の光景」が蘇る。
  ◇
読者の皆様。ウクライナ情勢をめぐっては、日本をはじめとする西側メディアからは実相が伝えられているように思えません。米露が角逐し、世界の動きに大きな影響を与えるウクライナ情勢を、西側からの視点で捉えるだけでよいのでしょうか。かといってモスクワ支局もクレムリンに遠慮して真実を伝えていません。田中が東欧のはずれまで足を伸ばした理由です。何卒ご了承下さい。
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ウクライナ発】「分離主義者は夜動く」 ゲリラ戦で戦略要衝陥れるロシア
田中龍作ジャーナル 2014年11月1日 23:33
http://tanakaryusaku.jp/2014/11/00010239
 
ドネツク州の州都ドネツク市周辺を制圧した親露武装勢力が次に狙うのは、戦略要衝マリウポリだ。
 マリウポリから北へ60キロのボルノボハ村(人口2万3千人)は、ウクライナ軍が前線基地を置く。
 戦争の実相を知るには前線を見ておかねばならない。通訳が同行を拒否したため、筆者は名うてのドライバーと2人で前線まで出かけた。
 村のチェックポイントに着くと、間もなくパトロールを終えたウクライナ軍の部隊が基地に戻って来た。兵士は20人弱。1個小隊か。
 兵士たちは抱き合い、最後には戦車をバックに記念写真を撮った。大戦に勝利したような熱狂だ。
 パトロールを終えたくらいで何故こんなに喜んでいるのか? 部隊の小隊長と見られる兵士に「掃討作戦を行ったのか?」と聞いた。
小隊長は「分離主義者は夜動く。今は別段なにもなかったが、時々、チェックポイントで武器・弾薬が見つかる。気を抜けない」と緊張気味に語った。(※) 
 「分離主義者は夜動く」がすべてを言い表していた。
 ドネツク州はウクライナ系とロシア系の民族比が拮抗する。半分はロシア系だ。日頃は普通の村人が、武器を手に背後から襲ってくる可能性があるのだ。ゲリラ戦である。
 ロシアは多少時間をかけてでもゲリラ戦でマリウポリを陥れるつもりだ。正攻法と比べたら国際的批判は小さい。
 マリウポリ黒海艦隊が基地を置くクリミア半島とこれまた海軍基地のあるオデッサに真っ直ぐつながる。
 ロシアが戦略要衝のマリウポリを放っておくはずがない。
 ◇
(※)
 小隊長は筆者のインタビューに英語で答えてくれたが、ロシア語はネイティヴだった。米軍事会社の傭兵ではないようだ。