311から4年。ドイツのメルケル首相も訪日して原発の事にも言及しているが、マスコミは未だに原発事故以前と以後での国民の認識を変えさせない為に情報統制。



NHKが3/7に小さく報道。

独首相 日本にエネルギー政策転換促す考え  http://nhk.jp/N4I94CLE NHKニュース 2015/3/7


ドイツのメルケル首相は日本を訪問するのを前に、
ドイツが進めている脱原発政策について、「日本も同じ道を進むべきだ」と述べ、
エネルギー政策の転換を呼びかける考えを示しました。

メルケル首相が9日から7年ぶりに日本を訪問するのを前に、
ドイツ政府は7日、メルケル首相と福島出身でベルリンで化学の研究をしている日本人研究者との対話の映像をインターネット上で公開しました。

この中で、メルケル首相は4年前の東京電力福島第一原子力発電所の事故について、
「ドイツは、このぞっとするような原発事故を連帯感を持って受け止め、
より早く原子力から撤退する道を選んだ」と述べました。

そのうえで、「ドイツは今、再生可能エネルギーへの転換を進めている。

日本もドイツと協力して同じ道を進むべきだ」と述べ、今回の日本訪問中、エネルギー政策の転換を呼びかけていく考えを示しました。

メルケル首相は日本は島国で資源にも乏しいとして、ドイツと完全に同じような政策を進めるのは難しいという認識も示しましたが、
「福島の事故の経験から言えることは、安全性が最も重要だということだ」と述べ、
ドイツとしては今後も脱原発政策を着実に進める姿勢を強調しました。



メルケル独首相が来日講演、「ドイツは過去と向き合った」  http://a.msn.com/01/ja-jp/AA9xLRA  [東京 9日 ロイター]msn産経ニュース


- 来日したドイツのメルケル首相は9日、東京都内で講演し、
ドイツが戦後、国際社会に受け入れられたのは、過去ときちんと向き合ったため、と述べた。

メルケル首相の来日は2008年以来。
メルケル首相は講演で、ヴァイツゼッカー独大統領(当時)の1985年のスピーチ
「過去に目を閉ざす者は、現在に対してもやはり盲目となる」を引用。

ドイツは戦後、かつての敵国とどのようにして和解することができたのか、との質問に対して
「近隣諸国の温情なしには、不可能だった。ただ、ドイツ側も過去ときちんと向き合った」と述べた。



メルケル独首相の訪日レポート(南ドイツ新聞)  http://mnagasaka.exblog.jp/21619371/  長坂道子「ときどき日記」2015/3/10


現在、ドイツのメルケル首相が訪日中。
夏にドイツでの開催が予定されているG7の準備という意味合いのあるこの訪問で、
けれどメルケル首相は二つのテーマについて日本にメッセージを送る心づもりで旅立ったのだという。

日本での模様を伝えたドイツの新聞の記事を一読し、
これを翻訳しておくことに意味があるのではないかと思い立った。
たいしたことはできないけれど、こんなふうに「外の声」を淡々と拙い訳語で伝えることくらいであれば、たまには自分にもできる。少し風通しがよくなることのささやかな一助になればいいし、異なる視点の存在も伝えることができればいいと思う。

私はドイツ語が得意ではないけれど、とりあえず頑張って翻訳をしてみました。
元記事のリンクも貼付けておきますので、ドイツ語が堪能な方は是非、原文をお読みください(その上で、私の不勉強による誤訳等がありましたら、どうぞご教示ください)。


特にコメントはいたしません。
今回のメルケル首相の訪日が、
ドイツの大手新聞の一つではこのように報道されているのだ、
ということをご紹介したかっただけです。

こちらは元の記事です。

Angela Merkel übt höfliche Kritik in Japan - Politik - Süddeutsche.de

メルケル首相、「丁寧な批判」という形での日本訪問

首相在任10年になるアンゲラ・メルケルは、これまで無数の外国訪問をこなしてきたが、
このような形で挨拶されたのはおそらく初めてだった。
「おはようございます、首相」。
そう挨拶したのは、アシモという名前の小柄な男性。
普通の人間と同じことがたくさんできるんだ、と証明するべく、アシモは部屋を歩き回り、サッカーボールを蹴ってみせ、跳んだり走ったりしてみせた。
本当に嬉しそうにそんなふうにするものだから、メルケル首相も大喜び。
なにしろ、アシモは人間ではなくて、人間ロボットなのだ。

東京に着陸したばかりのメルケル首相の最初のアポイントは未来博物館。
そしてアシモのおかげでテクノロジー好きな首相には、まずは幸先のよい出だし。
ところがロボットが首相にお別れするときになったとき、すっかり魅了された首相が彼に近づいて握手をしようと手を差し出したところ、こともあろうにロボットは握手ができないのだった。
アシモはそこに呆然と突っ立ったまま。
メルケル首相の欲するところをどうやら理解できないようなのだ。

首相の意図が理解されないというのは、けれど、この日、これ一回きりのことではなかった。


メルケル首相、批判せず、描写する
メルケル首相の訪日の目的は、
バイエルン地方のエルマウで開催予定のG7の準備をすることだった。

今回はドイツが議長国を務めることになっているが、東京とベルリンの関係はいたって良好。
ロシア問題であれ、ウクライナ問題であれ、シリア問題であれ、両国の足並みは揃っている。
けれど今回、首相は、日本行きにあたり、東京ではあまり人気のなさそうなテーマも一緒に携えていった。
二つの記念日にちなんだそれぞれにデリケートなテーマだ。

まず、この水曜日は、福島の悲劇から丸4年を迎える日。
このタイミングでの訪日で、エネルギー政策についてまったく触れないというわけにはいかない。

安倍首相は、ガウ(原子力発電所で想定される最大規模の事故)にもかかわらず、
原発の再稼働を宣言している。

ドイツからみるとそれは誤りに思われるが、メルケル首相は他国に向けての表立った助言はしばしば意図とは逆の効果を生むことを承知しているので、日本への批判は避け、
その代わり、なぜドイツが自らの選択を正しいと考えているかを描写するにとどめることにした。

日本の大手新聞、朝日新聞の社屋で行なわれた会合で、
メルケル首相は原子力支持者から反対者へと自らが転向したパーソナルな経緯について語った。
そうすることで、関心を引き、ひいては説得することができれば、と考えたからだ。

しかし、このことで首相が強い印象を与えることはなかった。
その日の夕刻の共同記者会見において、安倍首相はメルケルの言葉を冷たく差し引いた上で、「日本は福島以前にはエネルギーの三分の一を原子力に負うていた」と述べ、
将来においても、原子力発電を廃止することはあり得ないということを表明した。


さらに明白なのは、もう一つのテーマについての安倍首相の理解の欠如である。

今年は第二次世界大戦後70年。
日本は近隣諸国に惨劇をもたらしたが、ドイツと異なり、今日にいたるまでその責任を正面から引き受けてこなかった。

右寄りの安倍首相は、戦争犯罪を相対化しようとさえしている。
そんなわけで現政権にとってリベラルな朝日新聞は目の敵なのである。

安倍人脈は、慰安婦問題での朝日新聞の数年前の誤報道を利用することで、
従軍慰安婦たちのたどった悲劇について、これを根本から疑問視しようとする。
こうした背景を踏まえたからこそ、
メルケル首相は今回の訪日に際し、朝日新聞への露出にこだわったわけである。


より実りのあった、天皇との会談

もちろん月曜日、メルケル首相は日本の政府と直に渡り合うようなことはしていない。
その替わりに、メルケル首相は自らの経験について淡々と語ったにすぎない。

「ドイツは第二次世界大戦勃発の責任、ホロコーストの責任を負っているにもかかわらず、
国同士の共存に再び仲間入りを許されました。それは自らの責任を認めたからなのです」とメルケルは語った。

「過去の徹底的な検証や反省の作業が、和解を可能にした条件の一つなのです。
ドイツはけれど、幸運でもありました。なぜなら、近隣諸国が和解のための手を差し出してくれたからです」と。

日本がこうしたオブラートにくるまれた批判をどのようにかわすかが端的に見て取れたのがNHKメルケル首相訪問の扱いであろう。
会合の場所がかの悪評高き朝日新聞であったということを、NHKの報道は伏せた。

そしてメルケル首相のスピーチに関しては、ごく一部を抜粋したに過ぎず、
そこでは「ドイツが和解への意志を持った近隣諸国に恵まれたことは幸運だった」
ということだけが紹介された。

彼女の言葉の中での「自らの責任を引き受けなければならない」という部分は
カットされていた。

安倍首相もまた、共同記者会見においてメルケル首相のスピーチにはまったく触れなかった。

安倍首相やアシモが、メルケル首相の訪日をややこしいものにしたせいか、
天皇陛下との会談はことの外、スムーズに運んだ。

天皇陛下は長年にわたり、魚類や海の研究に高いご関心を持たれている。
そのような方と温暖化問題や海域保護の問題についておしゃべりをするのは素晴らしい。
いずれも、今夏のG7のアジェンダの重要なテーマである。

会談は予定時間を超過し、連邦首相府が後ほど誇らしく報じたところによれば、
メルケル首相はワーグナー自身によるタンホイザー(部分)のピアノ用編曲譜の大変希少な初版を陛下に贈った。
ご自身もチェロをお弾きになり、クラシック音楽愛好家であられる陛下に気に入っていただけたことだろう、とのことだ。



【詳報】「今、日本は戦後最大の危機を迎えている」大江健三郎氏、鎌田慧氏が会見  http://blogos.com/outline/107525/ #BLOGOS 2015/3/10


10日、ジャーナリストの鎌田慧氏と、作家でノーベル文学賞受賞者の大江健三郎氏が会見を行った。

両氏は2011年、内橋克人氏、落合恵子氏、坂本龍一氏、澤地久枝氏、瀬戸内寂聴氏、辻井喬氏、鶴見俊輔氏と9名で「『さようなら原発』一千万署名 市民の会」を結成、
「さようなら原発1000万人アクション」を続け、署名や集会などの活動を行ってきた。
 
両氏は東日本大震災福島第一原発事故の発災から4年を迎えるのを前に、
改めて原発の再稼働反対を訴えた。


鎌田氏の冒頭発言要旨

私たちは「さようなら原発運動」を3年以上やってきまして、
世論を高めるための運動に一定の成功をしてきたと思っております。
なんとか4周年を契機にして、新たな運動を作っていく力にしたいと思っております。
 
明日で4年になりますけれど、
原発事故の状況は収束に向かうというよりも、
むしろ拡散と言いますか、核分裂と同じような、
日本社会の分裂に向かっていっていると思います。
 

4年経ってもどこに住んだらいいのか、どういう仕事をしたらいいのか、
まだわからない人が11万人以上います。

こういう人たちを見捨てる形でまた原発を動かそうとしている、
これは本当に、人類の叡智に対する挑戦だと思います。

間違いを改めない、犠牲者を振り捨てて新たな利権に向かっていく。

全く人間のモラルに反することを、
今、日本政府と電力会社はやろうとしているのだと思っています。
 

福島に行ってご覧になった方もいらっしゃると思いますけれど、
第一原発がある大熊町双葉町、第二の原発がある楢葉町
それから近くにある浪江町、全く人が住めない。

あるのはススキの白い色と、セイタカアワダチソウの黄色い色と、
汚染物をいれた黒い袋。黒と白と黄色で埋め尽くされています。


そして100人以上の子どもたちに甲状腺がんが現れています。
それから、仮設住宅に住んでいて、
目の前に家があるけれど放射線に阻まれて戻れない、
そういう人たちが続々と亡くなっていまして、
原発関連死は1,200人以上にもなっている。
そういう惨憺たる状況です。

これが4年経った現実でして、これを全く解決しないうちに新たな5年目、
つまり再稼働に進もうとしています。
 

故郷を失い、居住する場所を失うということは、精神的なダメージが大きいわけでして、
人権に関わる問題です。

人間がどういうふうに生きていくのか、どこに住むのか、住む環境はどうかという、
古来の人権に対する挑戦として、新たな再稼働を進めようとしています。


20万人にも及ぶ福島の人々の夢と居住権と人権を奪って、
なおかつそれに対する補償もできていない中で、
川内原発とか、あちこちの危険な原発を再稼働させようとしている。
これは政治的な犯罪と言っても間違いではないと思います。
 

5年目に入るにあたって、ドイツからメルケル首相が来られたのは象徴的です。
 
再稼働しようという国と、きっぱりそれをやめて新たな道に進むという国の首相が相まみえて、
これからの日本の進路を考えていく。

つまり自己決定したドイツと自己決定しない日本のその対比が明らかになって、
これからの原発反対運動に大きな力になっていくと思います。
 

私たちは3月28日、新宿で大江さんなどの講演会を開きまして、
5月3日には、みなとみらいの臨港パークで3万人規模の大集会を開きます。

これは原発反対運動と戦争反対運動、
全ての運動を一緒にした大運動を行いながら、
新たな日本に向かってやっていこうと思っています。



大江氏の冒頭発言要旨

私は昨日インタビューや講演をなさったメルケル首相の発表に
非常に強い印象を受けたものです。
 

大きい福島事故の後、日本人が本当に考えなければならないことを回避するという方向に進んできた、その4年間だったと思います。

その出発点には、私どもの首相である安倍という人の考え方があります。


それを端的に申しますと、あの原発事故が起こった後、
安倍首相が世界に向けて発言したのは、
事故を起こした福島の原発は、すでにコントロールされたということでした。

これからどうなるのか、
その人間的な、倫理的な、自然全体に対する全ての問題を解決しなければいけない中、
すでに原発そのものの直接的な状況は回避されたと世界中に言ったんです。

皆さんもお聞きになったでしょう。

それを信じる人は少なくとも世界にはなかった。
ところが、日本人の中には、これを信じようと考えた人々がいる。


この4年の間に、
原発事故というものはそれこそすでにコントロールされたと考えているひとが
多くなってきているんじゃないでしょうか。


そして同時に、メルケル首相がおっしゃった、
"ドイツは原発によるエネルギーでやっていこうとする方針を完全に放棄した、
そして自分たちはそれを実現する"
ということ、

そして
"これは自分たちの政治的決断だった"
ということ。


私は、この「政治的決断」という言葉が、
ドイツの政治家と日本の政治家の違いを明確に示していると思います。
 

非常に総合的な、多様を視点を持った重要な問題で、
ドイツ人全体が人類に対して決断しなければいけない。

しかしその出発点で、政治家として自分たちは強い決断を行った。

そしてそれを今、実現していくことでドイツ人の現在観、将来観が固まっていく、
ということをメルケル首相は言っておられる。
 

私の小説をお読みになった方は、森ということ、あるいは樹木ということが重要であることを知っていただいていると思います。


あの事故によって放射能の影響を受けた原発周辺の森林をそのまま放っておくことは出来ないと、復興を求め願い、福島の人たちはその木を伐採しました。
 

葉っぱも含め、集めた樹木は、8万本という大規模なものです。
近づくこと、あるいはそれに触ることは非常に危険ですし、
それを燃やしてしまうと、重量は少なくなるかもしれないが、
放射能を大きく広げてしまうことになります。

しかし、まず燃やそうと、燃やした後の灰で放射能の害を与えないように保存しよう隔離しようとしていますが、ともかく私たちは人間、子どもたちの将来を考えて言えば、
この樹木が象徴的な形、象徴的な表現を示していると思います。


メルケルさんと安倍首相が話をしたということは、私は非常に大きい、
象徴的な、あるいは現実的な意味を持っている出来事だと考えています。


メルケルさんはまず最初に、非常に高度なテクノロジーを持っている日本の人々が
原発を十分にコントロールできなかったということは事実だと言われました。

ドイツは福島の事故を見て、これからのエネルギーの課題として原発を用いるということは全く不可能だということを認識した、そしてそれに向かって働き始めているということです。


それに対して安倍氏は、今いくつもの原発が稼働をやめているけれども、
今年のうちに4つ、あるいは5つの再稼働を行うということを言った。
そしてその方針を変える気はないとも言った。


それに対して私たち民衆はどう考えているか。

私たちはメルケルさんと安倍の態度を見て、
現在の政治的な、人間的な意思、態度をいうものを完全に作り変えなければいけない、
そのことをを今強く感じている。

今までもそれに基づく行動はあったし、これから大きく広がっていくだろう、
それを広げていきたいというのが私の考えです。


昨日の記者会見を見て、非常にはっきりしたことは何かということをお話しました。
もう一度繰り返しますと、日本の政治家には、この大きい原発事故という福島の悲劇がありなながら、それを全く別の方向に作り変えていくという政治的意思はないと。

すなわち原発事故に対する反省、あるいは再出発という意思がまったく無い政治家が政治を決断していて、
例えばメルケル首相などから、そのことについて批判する声が明瞭に示されても
全く耳を貸さないという点が今の政府にあるということです。


この日本の態度はヨーロッパに対してそうであると同時に、
アジアに対しても最も明らかになっているということは、皆さんがよくご存知だと思います。


今、戦後最大の危機を我が国が迎えているということだと考えています。
 
今、日本の状況はこのように
フクシマ以後、光に向かって、希望に向かって進むということ無しに、現状がそのまま続けられて、
しかもこれから原発の再稼働も行われる。
 

次の事故が起こればこの国の現在と未来は無くなってしまうという認識が非常に広くありながら、それを作り変えようとはしない、その風習も改めようとしない。
 

福島、国内からの声にも、ドイツからの新しい世界の核政策についての決断、
そこからの呼びかけにも全く答えないでいる政府がいる。


それは尖閣諸島の問題につきましても、
竹島、韓国の方々の言い方では独島の議題とも同じです。

アジア諸国との関係も非常に悪い状態にあるということを明らかに知っていながら、
政府にそれを作り変えようという意思があるとは思えない。
そのための努力を何もしていない。

その証拠に、今の首相が韓国、あるいは北朝鮮の政治家たちと話し合いをすることは途絶えたままですし、中国に対してもそうです。

アメリカの占領期は別ですが、戦後、こんな日本に全くなかったことが行われて、
福島以後の危機を最も全面的なものにしてしまっている。

それが現状だということが僕の申し上げたかったことなんです。


質疑応答

東京地検が東電の経営陣の不起訴を決めたタイミングについて。
一回目がオリンピックの開催地が決まろうとする時期、もう一回は総選挙の直後でした。
何か政治的な配慮があったと思いますか。


大江:
もちろん彼らは政治的な言葉を発している。

日本の裁判官たちも、あるいは官僚たちも、政治家とともに、
非常に不思議なほど、安倍政権のやり方を支持するほかない、というところに固まっていて、
原発の再稼働に向かって、あらゆることよりもそれを第一目的としている。

すなわち今や我が国は原発再稼働に向かっての動きにおいても、
非常に危険な状態を迎えている。

これを日本人が、我々が集会や運動によって作りかえなければいけない。
 
今、原発事故の大きな悲劇の後で、どのように人間的なものを回復していくかを中心に考えて、それ以外のことは二次的なものとする、
そしてその原則に従って我々が今取ろうとしている態度はすなわち、
ともかくも原発は再稼働させよう、それだけの目的で全日本的な宣伝活動が行われ、
オリンピックの決定も含めて明るい要素があるかのごとく振る舞おうとしているのは間違っていると。

その大きい大きい一番の間違いがわかるのは次の原発の大事故がおこるときでしょうが、
そのときは我々の未来はないんですから、芸術はないんですから、
今の政府の原発に対する態度を根本的に改めさせないといけない。

そのために唯一あるとすれば、選挙によって完全に安倍を打ち倒すということですが、
その希望はこの2年ほど、なくなってしまっている。

まさに我々は窮地にある。
しかし、そういう窮地にも、強い認識でもって新しい動きをはじめなければいけない、
それが一番大切な問題だと、そう考えたい。
 
皆さんからの知恵を頂きたい、励ましを頂きたいと考えている。




ー東電の経営陣は不起訴になりましたが、福島原発を建設した人たち、許可を出した人たちの責任も追及するべきではないでしょうか。何か犯罪的な行為があったかもしれません。


鎌田:
日本の原発はご存知のように国策民営、
政府の方針に従って民間が儲けていくということで、
明治政府以来一貫しています。
政府が資金を出して産業を振興、誘導する。
原発もそうなので、国の方針ですから責任はない、従っただけだという考えが強いわけです。

メーカーの責任を弁護士さんも検討してみたようですけれど、
なかなか製造者の責任までは裁判では争えない。

これは日本の司法の問題なんですけれども、
事故を起こした経営陣の責任でさえ追及できないですから、
それを作ったメーカの責任の追及までは残念ながらできないという状態です。
行きたいんだけど、状況を見ると行けないというまどろっこしい状態です。
 
政府の責任を追及することがなかなか今までないわけで、
これはひとえに戦争責任の追及がうやむやになってしまって、
追及できたイタリアやドイツと違うところですが、
最高責任者が追求しきれなかった。

責任はどんどんどんどん下の方にいってしまう、
これがこの国の現状で、あまりこれ以上は恥ずかしくなるので言いたくないですが(笑)




使途デタラメ…安倍政権「復興予算26兆円」で自衛隊ヘリ改修  http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/157980 日刊ゲンダイ 2015/3/11


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約23万人がいまだ避難生活を送っている


3・11から4年。いまだに仮設住宅などで生活を送る被災者は約22万9000人にも上る。
  
政府は11~15年の集中復興期間に、26兆3000億円もの復興予算を計上しているが、
その使い道は依然、メチャクチャだ。
 
「巨額の復興予算は、民主党政権当時からデタラメに使われてきました。
復興予算は日本再生の名の下に、国立競技場の改修費やシー・シェパード対策、
沖縄県の教育振興費など復興とは無関係なところにバンバン投入されていた。
カネを集めたはいいが、使い道がなく、11年度分の1兆円は不用額として国庫に返納されています」(霞が関事情通)

デタラメな使い方は安倍政権になってから拍車が掛かり、防衛費にまで使っている。
15年度予算案では、防衛省の輸送ヘリ改修費などに約14億円が盛り込まれていたことが発覚した。

自民党も復興と無関係なところに予算を使う一方、
使い道がなく、昨年3月末時点で、9兆円もの予算が余っている。
  
言うまでもなく復興予算の原資は税金だ。

国民は2037年まで、所得税の税額の2・1%分を
被災地復興のために納付しなければならない。

国民から徴収しておいて、9兆円も余らすとは、どういうことなのか。
  
経済ジャーナリストの荻原博子氏はこう言う。
 「復興予算は当初、各省庁に、何でもアリの“お小遣い”として使われていました。
国民から批判が噴出し、厳格化された。その結果9兆円もの予算が余った格好です。

しかし、9兆円も余るということは、安倍政権が復興に向け、
有効な手だてを見いだせていないということです。

被災地では仮設住宅で厳しい冬をしのいでいる方が、まだまだ大勢います。
なぜ、困っている人に予算を振り向けることを考えないのか。

年も経ってこの体たらく。被災地に目が向いていないのではないか」
  

竹下復興相は8日の「日曜討論」(NHK)で、
「(16年度以降は)市町村も自立する強い意志を持ってほしい」と、
被災3県の知事に負担増を迫っていた。

予算が余っているのに、なぜ自治体に負担増を強いるのか。
カネが余っているなら、国民に返すべきだ。



原発湾内の魚から4万4千ベクレル!福島県沖“放射能汚染”の今 http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150311-00010007-jisin-soci  女性自身 2015年3月11日


11年3月11日の東日本大震災、それに続く福島第一原発事故から4年、
福島県沖での“放射能汚染”はどうなっているのか。

2月下旬、本誌記者が訪れた福島県いわき市小名浜港からのぞむ海は、汚染問題を感じさせないほど美しく輝いていた。
一見、復興も順調に進んでいるように見えたが、巨大な魚市場に集まっていたのは、地元漁師や漁業協同組合(漁協)の職員をあわせても7~8人ほど。
以前は水揚げされたヒラメやタコのセリが活発に行われていたが……。
この日、タコを1匹だけ持ち込んだという漁師は言う。


「震災から4年たったけど、ちゃんとした漁なんてできないよ。私がやっているのはタコ籠漁。
タコをエサで誘って、籠で獲るわけ。震災前はウチの船だけで300籠も仕掛けていたけど、いまは“試験操業”だからね。数も決まっていて、たった30籠だけだよ」
 

試験操業とは、小規模な漁と販売を行い、“福島の魚”が仲買業者や消費者に受け入れられるかを調査することなどを目的としている。現在、福島県の海は福島第一原発から半径20キロは操業禁止区域になっており、そのほかの海も試験操業だけが許されている状態だ。

「タコ籠をたくさん仕掛けたとしても、もし“出荷制限の魚”がかかれば、結局廃棄しなきゃならないしね。廃棄っていっても海に捨てるわけにもいかないし、廃棄費用もかかるんだよ。
いまも(原発から)汚染水が出ているからね。
ふつうに漁ができるようになるのは、いつのことになるのやら……」(前出の漁師)
“汚染水”という言葉を発したとき、漁師の顔がよりいっそう厳しくなった。

福島第一原発の取材を続けているフリージャーナリストの村上和巳さんは言う。
 
「原子炉に注入されている冷却水や、原発周辺を流れる地下水など、
いまも大量の汚染水が毎日、海に流れ込んでいます。

そのため1日に300億ベクレルの放射性物質が海を汚染し続けているのです。
その量は1年で実に10兆9千億ベクレルにものぼります。

汚染水が流れ込み続ける限り、周辺海域に住む魚介も汚染され続けることになるのです」
 


今年1月6日に福島第一原発港湾内で採取されたタケノコメバルからは、
なんと基準値の440倍、1キロあたり4万4千ベクレルが検出された。

原発事故から、すでに4年。
福島の生産者に光がさすのはいつのことに――。