アメリカの顔色を気にしてAIIBと距離を置いていたアジア開発銀行の中尾総裁が、態度を一変して、AIIBと協力関係を目指すことを宣言。

アメリカの顔色を伺って・・・
という記事が4月中旬に出ていたけれど、

アメリカでも、日本でも
何かの動きがあった、ということだろう。

他のことでも、いい動きが出てくるんじゃないかな、
ゴールデンウィーク明けくらいから


中国主導銀と協働確認=初代総裁候補と会談―中尾アジア開銀総裁

時事通信)2015/5/2 - Yahoo!ニュース 


【バクー時事】アゼルバイジャンの首都バクーで2日から始まるアジア開発銀行(ADB)総会に先立ち、中尾武彦総裁は1日、金立群アジアインフラ投資銀行(AIIB)設立準備事務局長と会談した。

ADBの声明によると、双方は協調融資を含む将来の協力関係を議論。
その上で、アジアのために協働していく決意を確認した。
 
金氏は中国財政省出身で、ADB副総裁の経験もあり、AIIB初代総裁の最有力候補。

ADBとAIIBはインフラ融資で競合するとみられているが、
双方の事実上のトップ会談で協力関係を目指すことをアピールした形だ。
 

声明では、中尾、金両氏はアジアには膨大なインフラ需要があり、環境・社会配慮の重要性があることを認識したと指摘。
中尾総裁は声明で「アジアでの長年の経験を生かし、ADBはAIIBと協力および協調融資を行っていく」と強調した。

双方は今後も情報を共有し、協力の具体的な在り方について話し合う。 







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4月中旬は、こんな感じだったけど。

中国、日本にAIIB副総裁職を提案? 「やはり日本が参加してこそ…」



中国がアジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本を引き込むため、
水面下で日本人の副総裁職を提案していたと日本メディアが報じた。

日本経済新聞は14日、AIIBの初代総裁が有力視されているAIIB臨時事務局の金立群・局長が先月3月22日、北京でアジア開発銀行(ADB)の中尾武彦総裁に
「日本にもぜひ参加してほしい」と明らかにしたと伝えた。 
  

また、中国がこのころ、日本が創設メンバーとしてAIIBに参加した場合、
「筆頭格の副総裁、日本単独の理事ポスト」の待遇を密かに提案していたことも
同紙は付け加えた。 
  
しかし日本は首を縦に振らなかった。
米国の顔色を気にしながら、透明性や融資審査基準について問題を提起した。

日本がAIIBに参加できない理由を積み上げていると考えた金局長は、その後、
欧州勢の切り崩しに方向転換したと同紙は伝えた。






アジア投資銀、幻の日本人副総裁(ルポ迫真)

日本経済新聞 2015/4/14 http://s.nikkei.com/1O7J7tj


3月22日、北京の釣魚台迎賓館。ひとりの中国政府高官がアジア開発銀行(ADB)総裁、中尾武彦(59)に早口の英語で語りかけていた。
 
「やはり日本にもぜひ参加してほしい。必要なら私が日本に出向く」
 
高官の名は金立群(65)。
財政次官やADB副総裁を歴任した。国家主席習近平(61)の意を受けて年内に発足するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の初代総裁と目される人物だ。




RT 金子勝
@masaru_kaneko
2015/5/3 


経済はすでに戦争状態に陥っている。
4月22日営業旬報で見ると、日銀の国債買い取りオペは2012年10月の105兆円から272兆円になった。

株式投信など金銭の信託が2.8兆から5.9兆に。
社債・CPも4.2兆から5.2兆へ。異常です。




ドル基軸制の終息

賀茂川耕助のブログNo. 1110  2015年5月7日 


第2次大戦中の1944年に締結されたブレトン・ウッズ協定で米国のドルが世界の基軸通貨となり、米国は経済だけでなく、政治面でも世界のさまざまな国に介入し覇権国として振る舞ってきた。


米ドルを基軸とした固定為替相場制であるブレトン・ウッズ体制は、金によって裏打ちされたドルと各国の通貨の為替相場を一定に保つことで貿易を発展させ、経済を安定させるというもので、1973年に変動相場制へ移行するまで続いた。


そして米国経済が危機にみまわれるなど不安定化したにもかかわらず、その後も米国はドルを世界通貨として君臨してきた。


しかしその状況を変える二つの出来事が起きた。

一つは、中国が提唱するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立、

もう一つは、IMF国際通貨基金)が5年に1度の再評価で、
ドルやユーロに加え中国通貨を世界準備取引通貨に含めることを決める議論を
この5月から開始する予定であると発表したことだ。


IMFは5年ごとに特別引き出し権(SDR)の通貨バスケット(現在はドル、ユーロ、ポンド、円)を検討することになっており、今年がその年である。
そこに中国人民元を採用する可能性があるという。

ロイター通信は「可能性」と報じたが、人民元が加わることは確実だろう。


これらが意味するのはドル基軸制の終息であり、
中国を中心とした新興国も参加する新しい通貨制度へと変わっていくということである。


米国は、昨年から同盟国に対してAIIBに加盟しないよう訴えていたが、
イギリス、ドイツ、フランス、スイスをはじめ既に50カ国以上が加盟を決めた。

西欧の資本主義諸国が中国主導の銀行に投資し、
アジア経済活動の一部になろうとしているのである。


同盟国のイギリスがAIIBに創立メンバーとして参加すると発表したことは
米国にとっては意外だったろう。

しかし経済が停滞していたイギリスが過去2年間になんとか持ち直してきたのは、
中国の民間資本がイギリスの不動産取引やインフラプロジェクトに流入したためだった。

つまり中国からの投資なしにイギリス経済が復活することはなかったのである。


これまで米国は世界銀行IMFを支配し、
これらの機関が行った決定に拒否権を発動してきた。

例えば米国が嫌いな国に融資をすることを拒否したり、
他の国には融資をしてもそれらの国には緊縮財政を課したりした。

それができたのも、ドルが基軸通貨であったためである。

しかし日本以外のほとんどの国が中国主導のAIIBに参加したのは、
そんな米国支配に嫌気がさしていたこと、

そして自国の国益のために、
これから伸びていく中国や新興国のパイの分け前を得るためであろう。


米国と、それに従属する日本はこの大きな変化に気づかないのだろうか。

つまり覇権国としてふるまう米国が、
第2次大戦後からとってきた軍事力で世界の国々に介入するやり方から、
中国とロシア主導の、それほど豊かでない国とも寛大な平和的同盟を組む、
より民主的なやり方を世界の国々が選ぶようになったということだ。


このAIIBの創設が、中国の天安門事件ソ連鉄のカーテンの崩壊以上の影響を世界に及ぼすことを希望するし、実際にそうなると私は思っている。