江戸後期の暮らしぶりが体感できるミュージアム

先日、「大阪くらしの歴史観」に行ってきました。

旅行と歴史が好きなので、色々と古民具を見る機会はあるのですが、
それが生活の中でどのように使われていたのかを知りたかったところ
大阪の天神橋筋6丁目に「大阪くらしの歴史観」というのをネットで見つけて
早速行ってきました。

江戸後期ころの大阪の街並みが再現されていて時代村みたいなかんじになっていました。
古民具を見るだけでは把握しづらい生活の感覚、家事の動線というのが判りやすくていいですね。
この少し前に建仁寺で2畳くらいの小さな茶室に入れて貰ったのですが
実際にその空間を体験すると、茶室とはどういうものかというのがよりわかる気がしました。
体験するのって大切ですね。
いろんな知識も体験することではじめて自分の認識になっていくのだろうと思いました。






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10Fから9Fの街並みを見下ろすことが出来ます。
ここで落語家さんの音声解説を聞くことが出来ます。

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屋根の上に明かり取りがついています。
そしてかまどなどの煙を抜けさせる煙突がついています。

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9Fに降りて、まず小間物屋さん
大福帳と行灯があります。

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御白粉や櫛など

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書店でしょうか
本や絵がありました

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時代劇でよくみる番頭さんが座るところですよね。

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かまど
ここは少し大きな家のタイプのようで
かまどの口が沢山あり、この家のためだけの井戸もありました。

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ながし、まな板も大きい。
上に、調味料や漬物をおけるようになってるんでしょうか

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これはお釜も乗せられる七輪でしょうか
こんなのあったんやな~

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長屋ですね。
なんかじゃりン子チエのチエちゃんの家みたいやな
でも押入れはなさそう。
6畳くらいの畳部屋にかまどが2口、

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そして小さな流しと水瓶があります。
う~ん、けっこう十分な設備揃ってるな

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これは火打石セットのようです!
火打石で出来た火花から火種をつくるセットです。
左に誘火綿(火口)を入れておき、そこに火花を落として火種を作り、右の木切れで火を大きくしてかまどに投入するようです。

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絵で見る長屋の風景はこんなかんじ
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8Fにおりると近代の大阪の街並み

戦争前、大正~昭和初期かな

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戦争で大阪中心部は何度も空襲をうけて焼け野原になったそうです。
そして仮設住宅として、廃車になった木炭バスを利用したバス住宅もあったそうです。
七輪で料理をしてたんでしょうね。

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昭和初期から戦争を経て昭和30年代くらいまでの物語が女優の八千草薫さんの語りで語られ、そうだな~こういう街の変化の中で生きてきた人生があるんだよな~とけっこう見入ってしまいました。


住まい劇場
空堀商店街で生まれ育ち、戦後をバス住宅で仮住まいし、高度成長期には古市中団地に引っ越した、悦子さんの住み替え物語を、八千草薫さんによる語りと映像、模型でお楽しみください。


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殆どの家にかまどが無くなったのは昭和30年代くらいなんでしょうか。
1964年(昭和39年)の東京オリンピックの頃にはもう殆どの家が
電気、ガスで生活していたんでしょうね。

かまどで調理して、火鉢で暖をとって、井戸から水を汲んで、、
そんな手間なことをせずとも簡単に電気、ガス、水道を使えるのが普通になった現代
はたしてそれがいいのか?というと、いいとは言えないと思いますね。

だって、その為にどれほどの環境負荷がかかっているのかを想像するとゾッとします。
かまどの時代までは半径1キロくらいの資源で生活できたわけですよ。
近くの木を集めて焚き木として生活してきた。
地域の自然の循環活動の範囲で生活してきた。

それが今は中東などで掘削した石油をタンカーで日本へ輸送して、
それを大型トレーラーで日本各地に輸送
その石油を使って各地の巨大な発電所で電気を作り、
山々に鉄塔をたてて電線をはりめぐらし各家庭へと送電する。

簡単に電気を使えるようにするためには、海外から膨大な資源を輸入して
膨大なエネルギーをつかって発電しつづけなければならない。

世界の先進国がこの便利な生活をするようになってから
地球の生態系は恐ろしいスピードで崩れていっている

生命は循環することで生態系を守っている。
生命の数が減り、生態系が崩れれば、生命の循環は破綻していってしまう。
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明日に地球が壊れる訳じゃないけど、今の生活を続ければ
10歳の子が40歳になる頃には・・・いやなれないかもしれないね。

最近、自然災害が深刻になっているのも、生態系が壊れているからだろうから
これからもっと酷くなる可能性は高い。

かまどの生活に戻るのは難しいけど、環境負荷の少ない生活の仕方を真剣に考え
取り組んでいかなければ・・・タイムリミットはもう近い。

その為にもベーシックインカムが必要になると思っています。

今の経済は環境を破壊するものほど儲かるシステムになっていて、
自然に優しい生き方をしようとすると儲からない仕組みになっている。

自然と共生するための林業や農業をしようとしても儲からずに暮らしていけない。
人間が生きていく環境のためになる産業がどんどん廃れていっている。

「働かざる者、喰うべからず」
なんて言葉があるが、今はその働きが環境破壊につながるものの方が儲かり、
環境保護につながる働きをするものが儲からないシステムになっている。


生態系、生命循環のことを考えれば、全ての者が「生きること」が大切なのだ。
木が、鳥が、魚が、虫が生きてくれているから生命は循環している。

まずはみんなを食べさせる。
安心して生活できるようにする。
そうすれば車も売れるし、家も売れる。経済は回る。
林業にも農業にも安心して携わることが出来る。

太陽は毎日登り、森を育て、植物を育て、全ての生き物を育てようとしている。
森は森にすむ生き物の生命活動によって生きている。
森にすむ生き物は森の恵みによって生きている。

その生命の中で人も生きている。
それを忘れてはいけないと思う。